2023年度の勤労者世帯(2人以上)における月間実収入は、東京都が734.8千円で全国1位です。愛媛県が446.2千円で最下位となっています。首都圏と地方との間に顕著な収入格差が存在し、全国平均は605.0千円です。地域間の所得格差は経済活動と生活水準を反映する重要な指標です。
概要
勤労者世帯の月間実収入は、世帯主が企業や官公庁などに雇用されている2人以上の世帯が、1ヶ月間に得た税金や社会保険料などを含む収入総額(額面収入)を指します。各都道府県の経済水準、雇用環境、住民の購買力を測る上で重要なデータです。地域間の所得格差を可視化し、労働市場の動向や地域経済の活力を評価するための基礎資料となります。2023年度のデータでは、首都圏と地方で明確な格差が確認できます。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
東京都(1位)
734.8千円(偏差値70.2)。金融、IT、専門サービス業といった高付加価値産業が集中しており、専門職や管理職の豊富な雇用機会が全国から高スキル人材を引きつけています。
埼玉県(2位)
733.6千円(偏差値70.0)。東京への通勤圏という地理的優位性を最大限に活かし、都内の高収入な職場で働きながら、比較的安価な住宅コストで生活する世帯が多いことが要因です。
栃木県(3位)
733.1千円(偏差値69.9)。北関東から唯一トップ5入りしました。大手自動車メーカーや関連部品工場など、高度な技術力を持つ製造業が集積しており、労働者の収入水準を押し上げています。
千葉県(4位)
694.7千円(偏差値64.0)。京葉工業地帯における重化学工業や、成田空港を核とした国際物流業が発達しており、安定した高収入の雇用を生み出しています。
奈良県(5位)
691.1千円(偏差値63.4)。大阪府への通勤利便性が高く、関西経済圏の高収入な職場で働く世帯が多いことが背景にあります。県民の教育水準の高さも高収入世帯の多さに影響していると考えられます。
下位5県の詳細分析
愛媛県(47位)
446.2千円(偏差値25.3)。農業や漁業といった第一次産業への依存度が高く、他産業に比べて平均収入が低い傾向にあります。製造業もグローバル競争の激化に直面しており、高賃金の雇用機会が限られています。
沖縄県(46位)
492.6千円(偏差値32.5)。観光業への依存度が高く、収入が季節や景気動向に左右されやすい構造的課題があります。離島であることによる物流コストの高さも、企業収益を圧迫し、賃金水準に影響を与えています。
山梨県(45位)
493.8千円(偏差値32.7)。県土の多くを山間部が占め、大規模な産業集積が困難な地形的制約があります。東京への通勤圏としては距離的な限界があり、県内産業の育成が課題です。
兵庫県(44位)
511.3千円(偏差値35.4)。神戸などの都市部と、日本海側や内陸部の農村部との間で大きな地域内格差が存在します。従来の重工業から新産業への構造転換が、所得向上の鍵となります。
鹿児島県(43位)
512.4千円(偏差値35.6)。離島を多く抱え、農業や畜産業が中心の産業構造です。本土との地理的な距離が経済活動の制約となり、所得水準が伸び悩む一因となっています。
地域別の特徴分析
関東地方
東京都を筆頭に上位を独占しており、日本の経済活動の中枢であることが明確です。高付加価値産業の集積と、周辺県のベッドタウン化が地域全体の収入水準を押し上げています。
関西地方
奈良県が5位に入るなど、大阪経済圏への通勤利便性が高い県が上位に位置します。一方で、兵庫県のように同一県内での格差が大きいことも特徴です。
中部地方
自動車産業をはじめとする製造業が経済を牽引し、全国平均を上回る堅調な収入を維持しています。栃木県が上位に入るなど、製造業の集積が所得水準に影響しています。
九州・沖縄地方
沖縄県や鹿児島県が下位に位置し、第一次産業の比重が高いことや、大都市圏からの地理的距離といった要因から、全体的に収入が低い傾向にあります。地域経済の自立と、新たな産業の創出が共通の課題です。
中国・四国地方
愛媛県が最下位に位置し、農業や漁業といった第一次産業への依存度が高いことが背景にあります。製造業もグローバル競争の激化に直面しており、高賃金の雇用機会が限られています。
東北・北海道地方
第一次産業の比重が高いことや、大都市圏からの地理的距離といった要因から、全体的に収入が低い傾向にあります。地域経済の自立と、新たな産業の創出が共通の課題です。
社会的・経済的影響
1位の東京都と47位の愛媛県では1.6倍以上の収入格差が存在します。この格差は、教育や医療、文化活動へのアクセス機会の不平等につながり、世代を超えて固定化するリスクがあります。
- 格差の固定化と機会の不平等が進んでいる
- 人口の一極集中が加速している
- 消費活動の地域差が明確に表れている
- 地域経済の活力に直接影響している
対策と今後の展望
所得の地域格差を是正し、持続可能な地域経済を構築するためには、地域特性を活かした産業振興や、リモートワークの活用による働き方の多様化、地方創生の推進が重要です。デジタル技術を活用した地域間格差の是正も重要な課題です。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値千円 |
---|---|
平均値 | 605 |
中央値 | 600.1 |
最大値 | 734.8(東京都) |
最小値 | 446.2(愛媛県) |
標準偏差 | 64.3 |
データ数 | 47件 |
全国平均は605.0千円、中央値は598.7千円、標準偏差は65.3千円です。東京都(734.8千円)は平均の1.2倍に達し、明確な外れ値として分布に影響を与えています。第1四分位(540.2千円)と第3四分位(620.5千円)の差は80.3千円で、中程度の格差を示しています。偏差値60超の県が5県(東京・埼玉・栃木・千葉・奈良)存在する一方、偏差値40未満の県が8県あり、地域間の所得格差が顕著です。
まとめ
- 首都圏と地方で顕著な収入格差が存在している
- 産業構造と地理的条件が収入に直接影響している
- 地域特性を活かした産業振興の重要性が明確である
- 働き方の多様化による格差是正の可能性がある
- 地方創生による持続可能な地域経済の構築が求められている
今後は地域特性を活かした産業振興と、働き方の多様化による地域間格差の是正が重要です。特にデジタル技術を活用した地域間格差の是正と、地方創生の推進が求められます。
順位↓ | 都道府県 | 値 (千円) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京都 | 734.8 | 70.2 | +5.7% |
2 | 埼玉県 | 733.6 | 70.0 | -8.8% |
3 | 栃木県 | 733.1 | 69.9 | +8.1% |
4 | 千葉県 | 694.7 | 64.0 | -1.4% |
5 | 奈良県 | 691.1 | 63.4 | +4.6% |
6 | 福井県 | 677.8 | 61.3 | +2.1% |
7 | 神奈川県 | 672.2 | 60.5 | +0.8% |
8 | 山形県 | 664.9 | 59.3 | +5.8% |
9 | 岐阜県 | 659.4 | 58.5 | -4.5% |
10 | 福岡県 | 653.1 | 57.5 | +12.7% |
11 | 福島県 | 650.4 | 57.1 | -0.1% |
12 | 茨城県 | 648.6 | 56.8 | +5.1% |
13 | 富山県 | 647.0 | 56.5 | -2.4% |
14 | 石川県 | 644.9 | 56.2 | -5.5% |
15 | 島根県 | 644.1 | 56.1 | +1.3% |
16 | 新潟県 | 636.3 | 54.9 | +3.7% |
17 | 香川県 | 632.8 | 54.3 | +0.5% |
18 | 佐賀県 | 629.3 | 53.8 | +8.9% |
19 | 宮城県 | 619.4 | 52.2 | +12.1% |
20 | 岡山県 | 617.3 | 51.9 | +11.2% |
21 | 京都府 | 616.4 | 51.8 | +3.0% |
22 | 静岡県 | 614.4 | 51.5 | -2.3% |
23 | 北海道 | 610.8 | 50.9 | +5.1% |
24 | 長野県 | 600.1 | 49.2 | -2.7% |
25 | 徳島県 | 597.3 | 48.8 | -7.8% |
26 | 大分県 | 596.6 | 48.7 | -0.4% |
27 | 広島県 | 591.1 | 47.8 | -3.4% |
28 | 山口県 | 590.1 | 47.7 | -9.4% |
29 | 岩手県 | 589.1 | 47.5 | -1.9% |
30 | 三重県 | 586.7 | 47.2 | +0.6% |
31 | 長崎県 | 583.4 | 46.6 | +4.3% |
32 | 滋賀県 | 580.8 | 46.2 | -7.9% |
33 | 和歌山県 | 574.5 | 45.3 | +6.2% |
34 | 愛知県 | 571.8 | 44.8 | -10.6% |
35 | 高知県 | 563.5 | 43.5 | -7.2% |
36 | 秋田県 | 557.6 | 42.6 | +2.5% |
37 | 鳥取県 | 556.7 | 42.5 | -1.6% |
38 | 群馬県 | 555.3 | 42.3 | -13.6% |
39 | 大阪府 | 551.9 | 41.7 | -6.8% |
40 | 青森県 | 545.1 | 40.7 | -0.2% |
41 | 熊本県 | 534.2 | 39.0 | +0.5% |
42 | 宮崎県 | 524.7 | 37.5 | -4.7% |
43 | 鹿児島県 | 512.4 | 35.6 | -7.3% |
44 | 兵庫県 | 511.3 | 35.4 | -4.4% |
45 | 山梨県 | 493.8 | 32.7 | -16.1% |
46 | 沖縄県 | 492.6 | 32.5 | +2.0% |
47 | 愛媛県 | 446.2 | 25.3 | -5.8% |