2023年度の都道府県別年平均相対湿度ランキングを発表しました。青森県、岩手県、山口県、沖縄県が77.0%で1位、群馬県が59.0%で最下位となり、地域間で18.0ポイントの格差が存在します。年平均相対湿度とは、1年間の平均的な空気中の水蒸気量を示す気象指標です。
概要
年平均相対湿度とは、1年間の平均的な空気中の水蒸気量を示す気象指標です。このデータは、各都道府県の気候特性、人々の快適性、農業生産、そして建物の維持管理などに影響を与えます。
2023年度のデータでは、全国の年平均相対湿度には地域差が存在し、最上位の青森県、岩手県、山口県、沖縄県(77.0%)と最下位の群馬県(59.0%)の間には18.0ポイントの開きがあります。この指標は、地域の気候特性と生活環境を反映する重要な情報を提供します。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
青森県
青森県は77.0%(偏差値64.7)で全国1位です。東北地方の日本海側に位置し、冬季の降雪や曇天日が多く、湿度が高い傾向にあります。日本海からの季節風の影響で、年間を通して比較的高い湿度を維持しています。
岩手県
岩手県は77.0%(偏差値64.7)で全国1位です。東北地方の日本海側に位置し、青森県と同様に冬季の降雪や曇天日が多く、湿度が高い傾向にあります。三陸海岸の影響も受け、沿岸部では特に湿度が高い特徴があります。
山口県
山口県は77.0%(偏差値64.7)で全国1位です。瀬戸内海と日本海に面し、年間を通して比較的湿度が高いです。日本海側の影響と瀬戸内海の気候特性が組み合わさり、高い湿度を維持しています。
沖縄県
沖縄県は77.0%(偏差値64.7)で全国1位です。亜熱帯気候で、年間を通して高温多湿な気候が特徴です。南西諸島特有の気候条件により、日本で最も湿度の高い地域の一つとなっています。
秋田県
秋田県は76.0%(偏差値62.4)で5位です。日本海側に位置し、冬季の湿度が高い特徴があります。特に冬季の降雪量が多く、年間を通して比較的高い湿度を維持しています。
下位5県の詳細分析
群馬県
群馬県は59.0%(偏差値22.2)で最下位です。内陸の盆地地形であり、周囲を山に囲まれているため、湿った空気が入り込みにくく、乾燥した気候が特徴です。特に冬季の「からっ風」は有名で、年間を通して比較的乾燥した気候となっています。
広島県
広島県は61.0%(偏差値26.9)で46位です。瀬戸内海気候の影響を受け、年間を通して比較的乾燥した気候が特徴です。瀬戸内海の穏やかな気候条件により、湿度が低い傾向にあります。
岐阜県
岐阜県は64.0%(偏差値34.0)で45位です。内陸に位置し、周囲を山に囲まれているため、乾燥した気候が特徴です。特に冬季は乾燥した空気が流れ込み、年間を通して比較的低い湿度を記録しています。
埼玉県
埼玉県は65.0%(偏差値36.4)で43位です。大都市圏に位置し、ヒートアイランド現象や人工的な乾燥が影響している可能性があります。内陸部の気候特性も加わり、比較的乾燥した気候となっています。
大阪府
大阪府は65.0%(偏差値36.4)で43位です。大都市圏に位置し、ヒートアイランド現象や人工的な乾燥が影響している可能性があります。瀬戸内海気候の影響も受け、年間を通して比較的乾燥した気候が特徴です。
地域別の特徴分析
関東地方
関東地方では群馬県が最下位、埼玉県が43位と下位に位置する県が多く、内陸部の乾燥した気候が特徴です。東京都や神奈川県も中位に位置し、大都市圏のヒートアイランド現象の影響が見られます。
関西地方
関西地方では大阪府が43位と下位に位置する一方で、京都府や兵庫県は中位に分布しています。瀬戸内海気候の影響を受け、比較的乾燥した気候が特徴です。
中部地方
中部地方では岐阜県が45位と下位に位置する一方で、他の県は中位に分布しています。内陸部の気候特性により、比較的乾燥した地域が多い特徴があります。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方では沖縄県が1位と上位に位置する一方で、他の県は中位から下位に分布しています。南西諸島の高温多湿な気候と、九州本土の多様な気候特性が反映されています。
中国・四国地方
中国・四国地方では山口県が1位と上位に位置する一方で、広島県が46位と下位に位置しており、地域内での格差が顕著です。瀬戸内海気候と日本海側の気候特性の違いが影響しています。
東北・北海道地方
東北・北海道地方では青森県、岩手県、秋田県が上位に位置し、日本海側の高い湿度が特徴です。北海道は中位に位置し、比較的穏やかな湿度を維持しています。
社会的・経済的影響
最上位の青森県、岩手県、山口県、沖縄県(77.0%)と最下位の群馬県(59.0%)の間には18.0ポイントの格差が存在します。この格差は、季節風、地形、海からの距離、気団の影響など、複合的な気象要因によって生じています。
湿度が高い地域では、カビやダニの発生、熱中症のリスクが高まります。一方、湿度が低い地域では、乾燥による肌や喉のトラブル、インフルエンザなどの感染症のリスクが高まります。
湿度は作物の生育に影響を与え、病害虫の発生にも関わります。適切な湿度管理は農業生産において重要です。
湿度が高い地域では、建物の腐食やカビの発生が進みやすく、維持管理にコストがかかります。湿度が低い地域では、乾燥による木材のひび割れなどが懸念されます。
対策と今後の展望
地域間の湿度格差に対応するためには、以下の取り組みが重要です:
- 適切な湿度管理: 住宅や施設における換気、除湿、加湿などの対策を適切に行い、快適な室内環境を維持します。
- 農業生産への応用: 地域の湿度特性を考慮した作物選択や栽培方法の工夫、施設園芸での湿度管理技術の導入を進めます。
- 健康管理: 湿度に応じた体調管理、熱中症予防、乾燥対策などを啓発し、住民の健康維持を支援します。
- 気候変動への適応: 気候変動による湿度変化の予測に基づき、長期的な視点で地域社会の適応策を検討します。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値% |
---|---|
平均値 | 70.8 |
中央値 | 71 |
最大値 | 77(青森県) |
最小値 | 59(群馬県) |
標準偏差 | 4.2 |
データ数 | 47件 |
統計的特徴の分析
2023年度の都道府県別年平均相対湿度データを統計的に分析すると、以下のような特徴が見られます:
-
平均値と中央値の比較: 全国平均は70.8%であり、データの分布を見ると比較的対称的であることがわかります。
-
分布の歪み: データは全体としては対称的ですが、最上位県(77.0%)という極端に高い値と最下位県(59.0%)という極端に低い値があるため、分布の両端に外れ値が存在しています。
-
外れ値の特定: 最上位県(77.0%)は明らかな上側の外れ値と考えられます。また、最下位県(59.0%)は明らかな下側の外れ値として識別され、地域特有の気候要因が強く影響していることが統計的にも確認されます。
-
四分位範囲による分布の特徴: 第1四分位数(Q1)と第3四分位数(Q3)の間には、中央の50%の都道府県の平均相対湿度が収まっています。
-
標準偏差によるばらつきの程度: 標準偏差は比較的大きく、都道府県間の平均相対湿度にはかなりのばらつきがあることを示しています。これは、地域ごとの気候特性や地形の違いによるものと考えられます。
まとめ
都道府県別年平均相対湿度ランキングでは、日本海側や南西諸島で高く、内陸部で低い傾向が見られ、地域の気候特性が明確に表れています。
最大18.0ポイントの格差が存在し、湿度は人々の快適性、農業生産、建物の維持管理などに大きな影響を与えます。湿度が高い地域では健康リスクが、低い地域では乾燥によるトラブルが懸念されます。
適切な湿度管理、農業生産への応用、健康管理、気候変動への適応など、多角的な取り組みにより、地域の気候特性に応じた快適な生活環境の維持を目指すことが重要です。
順位↓ | 都道府県 | 値 (%) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 青森県 | 77 | 64.7 | +1.3% |
2 | 岩手県 | 77 | 64.7 | -1.3% |
3 | 山口県 | 77 | 64.7 | +4.0% |
4 | 沖縄県 | 77 | 64.7 | -3.8% |
5 | 秋田県 | 76 | 62.4 | +1.3% |
6 | 福井県 | 76 | 62.4 | -1.3% |
7 | 島根県 | 76 | 62.4 | +1.3% |
8 | 宮崎県 | 76 | 62.4 | - |
9 | 新潟県 | 75 | 60.0 | - |
10 | 滋賀県 | 75 | 60.0 | -1.3% |
11 | 鳥取県 | 75 | 60.0 | -1.3% |
12 | 山形県 | 74 | 57.6 | -1.3% |
13 | 富山県 | 74 | 57.6 | -3.9% |
14 | 長野県 | 74 | 57.6 | -1.3% |
15 | 茨城県 | 73 | 55.3 | +4.3% |
16 | 大分県 | 73 | 55.3 | +2.8% |
17 | 鹿児島県 | 73 | 55.3 | +1.4% |
18 | 岡山県 | 72 | 52.9 | +2.9% |
19 | 高知県 | 72 | 52.9 | +1.4% |
20 | 北海道 | 71 | 50.6 | - |
21 | 宮城県 | 71 | 50.6 | -2.7% |
22 | 栃木県 | 71 | 50.6 | -1.4% |
23 | 奈良県 | 71 | 50.6 | - |
24 | 徳島県 | 71 | 50.6 | +1.4% |
25 | 佐賀県 | 71 | 50.6 | +2.9% |
26 | 福島県 | 70 | 48.2 | -2.8% |
27 | 石川県 | 70 | 48.2 | - |
28 | 静岡県 | 70 | 48.2 | - |
29 | 三重県 | 70 | 48.2 | +7.7% |
30 | 香川県 | 70 | 48.2 | +2.9% |
31 | 愛媛県 | 70 | 48.2 | +1.4% |
32 | 和歌山県 | 69 | 45.8 | - |
33 | 福岡県 | 69 | 45.8 | +3.0% |
34 | 長崎県 | 69 | 45.8 | -2.8% |
35 | 熊本県 | 69 | 45.8 | +1.5% |
36 | 東京都 | 68 | 43.5 | -2.9% |
37 | 愛知県 | 68 | 43.5 | -1.4% |
38 | 千葉県 | 67 | 41.1 | +3.1% |
39 | 神奈川県 | 67 | 41.1 | -2.9% |
40 | 山梨県 | 66 | 38.7 | -1.5% |
41 | 京都府 | 66 | 38.7 | -1.5% |
42 | 兵庫県 | 66 | 38.7 | - |
43 | 埼玉県 | 65 | 36.4 | -4.4% |
44 | 大阪府 | 65 | 36.4 | - |
45 | 岐阜県 | 64 | 34.0 | -1.5% |
46 | 広島県 | 61 | 26.9 | +1.7% |
47 | 群馬県 | 59 | 22.2 | -10.6% |