2023年度の消費者物価指数対前年変化率(諸雑費)では、佐賀県が2.9%で全国1位、高知県が-0.4%で最下位となりました。この指標は家計の諸雑費支出に関する物価の変動を測定する重要な経済指標です。地域間で大きな格差が見られ、九州地方の経済活性化や地方都市のサービス業の競争激化が影響しています。上位県では観光業の回復や製造業の好調が、下位県では人口減少やサービス業の競争激化が要因となっています。
概要
消費者物価指数対前年変化率(諸雑費)は、家計の諸雑費支出に関する物価の変動を測定する重要な経済指標です。諸雑費には、理美容サービス、身の回り用品、交際費、諸サービス料などが含まれ、地域の生活コストや経済活動の実態を反映しています。
この指標は地域の生活コスト格差の把握や、地域経済の活性化度合いの測定に重要な役割を果たします。サービス業の価格設定や地域経済の活性化度合いを直接反映するため、生活の質を測る重要な指標となっています。
2023年度の全国的な動向では、佐賀県が2.9%で全国1位、高知県が-0.4%で最下位となり、約3.3ポイントの格差が生じています。この格差は地域経済の活性化度合いと密接に関連しており、各地域の特性を理解する上で重要な意味を持っています。
地図データを読み込み中...
上位5県の詳細分析
佐賀県(1位)
佐賀県は2.9%(偏差値78.1)で全国1位となりました。九州地方の経済活性化と地域特性が大きく影響しています。
福岡県との近接性により、福岡都市圏の経済効果が波及し、理美容サービスや娯楽関連の需要が拡大しました。佐賀県独自の観光振興策や地域ブランド強化により、サービス価格の上昇が見られています。九州新幹線の開通効果も継続的に影響しています。
福岡県(2位)
福岡県は2.7%(偏差値74.4)で2位に位置しました。九州最大の都市圏として経済活動が活発化していることが要因です。
IT産業や観光業の発展により、高付加価値サービスの需要が増加し、諸雑費の価格上昇につながりました。天神・博多地区の再開発効果も影響しています。九州地方の経済拠点としての地位が確立されています。
愛知県(3位)
愛知県は2.1%(偏差値63.4)で3位となりました。製造業の好調による所得向上と消費拡大が要因です。
自動車産業を中心とした製造業の復調により、労働者の所得が増加し、サービス需要が拡大しました。名古屋都市圏の経済成長も寄与しています。製造業の集積による雇用の安定が背景となっています。
北海道(4位)
北海道は2.0%(偏差値61.5)で4位となりました。観光業の回復と地域経済の活性化が背景にあります。
コロナ禍からの観光需要回復により、宿泊・飲食関連サービスの価格が上昇し、諸雑費全体を押し上げました。豊かな自然環境を求める観光客の増加も影響しています。
千葉県(5位)
千葉県は1.9%(偏差値59.7)で5位に位置しました。東京都心部への近接性と地域開発の進展が要因です。
東京ディズニーリゾート周辺の開発や成田空港の機能拡充により、サービス業の需要が増加し、価格上昇に寄与しました。首都圏の経済効果の波及も見られます。
下位5県の詳細分析
高知県(47位)
高知県は-0.4%(偏差値17.3)で最下位となりました。人口減少と高齢化の進展による需要低迷が要因です。
若年層の県外流出が続き、サービス業の利用者が減少している状況が価格下落につながっています。地域経済の活性化策が急務となっており、観光業の振興や産業の多様化が課題です。
山梨県(46位)
山梨県は0.2%(偏差値28.4)で46位となりました。人口減少とサービス業の競争激化が背景にあります。
東京圏への人口流出により、地域内でのサービス需要が低迷し、価格競争が激化している状況です。首都圏からの移住需要はあるものの、サービス業の価格には反映されていません。
滋賀県(44位)
滋賀県は0.7%(偏差値37.6)で44位タイとなりました。京阪神圏への消費流出と地域内サービス業の競争激化が要因です。
大阪・京都への通勤者が多く、地域内での消費が限定的となっています。都市部への一極集中が地域内消費に影響を与えており、地域経済の自立性が課題です。
福島県(44位)
福島県は0.7%(偏差値37.6)で44位タイとなりました。復興過程での人口動態の変化と経済構造の調整が背景にあります。
原発事故からの復興過程で、サービス業の需要構造が変化している影響が見られます。復興需要の継続と新規産業の創出が課題となっています。
山口県(39位)
山口県は0.9%(偏差値41.3)で39位となりました。製造業中心の産業構造とサービス業の発展の遅れが要因です。
重工業や化学工業が主体の産業構造で、サービス業の多様化が進んでいない状況が影響しています。産業構造の多様化とサービス業の育成が課題です。
地域別の特徴分析
関東地方
関東地方では、千葉県が1.9%で上位5位に位置する一方、他県は中位に分布しています。東京都心部への近接性が高い地域ほど、サービス需要が堅調で価格上昇傾向にあります。
既存住宅市場の成熟化や、交通インフラの整備による通勤圏の拡大が特徴です。住宅供給の充実による需給バランスの安定や、首都圏への人口集中による周辺地域の相対的な低迷も見られます。
中部地方
愛知県が2.1%で3位と高い水準を示しているのは、自動車産業の好調による所得増加効果です。製造業の集積地域では、労働者の所得向上がサービス需要を押し上げています。
製造業の集積による雇用の安定や、自然環境の魅力による移住促進が特徴です。地方都市の住宅市場の成熟化も見られます。
近畿地方
近畿地方では、大阪・京都などの都市部と周辺地域で格差が生じています。滋賀県が0.7%と低位に位置するのは、京阪神圏への消費流出が主因です。
都市部の住宅供給充実や、既存住宅市場の安定化が特徴です。製造業とサービス業のバランスや、歴史的な住宅ストックの活用も見られます。
中国・四国地方
この地域では、山口県が0.9%、高知県が-0.4%と低位に集中しています。人口減少と高齢化の進展により、サービス業の需要が低迷し、価格競争が激化している状況です。
人口減少による住宅需要の低迷や、地方都市の住宅市場の縮小が特徴です。高齢化の進行による住宅需要の変化や、産業構造の変化による雇用機会の減少も見られます。
九州・沖縄地方
佐賀県が2.9%で1位、福岡県が2.7%で2位と、九州地方が上位を占めています。福岡都市圏の経済成長効果が周辺県にも波及し、観光業の回復も寄与しています。
移住促進政策の効果による人口流入や、温暖な気候と生活環境の魅力が特徴です。既存住宅市場の成熟化や、観光業の回復による地域経済の活性化も見られます。
東北・北海道地方
北海道が2.0%で4位と健闘している一方、福島県は0.7%と低位にとどまっています。観光業の回復度合いや復興の進展状況により、地域間で格差が生じています。
復興需要継続地域での住宅需要の高まりや、中核都市への人口集中による地域内格差が特徴です。豊かな自然環境を求める移住者の増加や、冬季の住宅維持費用の地域特性も見られます。
社会的・経済的影響
最上位の佐賀県(2.9%)と最下位の高知県(-0.4%)では、3.3ポイントの格差が生じています。この格差は単なる物価の違いではなく、地域経済の活性化度合いや住民の生活の質に直接的な影響を与えています。
構造的要因:
- 地域のサービス業の発展度合いの違い
- 人口動態による需要構造の変化
- 産業構造による雇用機会の格差
- 観光業の回復度合いの地域差
経済的影響:
- 家計の実質所得への影響
- 地域経済の活性度の違い
- サービス業の収益性への影響
- 地域間人口移動への影響
社会的影響:
- 地域間の生活水準格差
- サービス業の質向上への影響
- 地域コミュニティの変化
- 地域ブランド力の格差
対策と今後の展望
諸雑費の地域格差を縮小するためには、以下の取り組みが重要です。
地域経済活性化策:
- 観光業の振興と地域ブランドの強化
- 製造業と連携したサービス業の発展
- 都市圏との連携強化による経済効果の波及
人材育成と事業支援:
- 地域特性を活かしたサービス業の育成
- 起業支援とイノベーション促進
- デジタル技術を活用したサービス効率化
広域連携の推進:
- 近隣都市圏との連携強化
- 観光ルートの広域化
- 産業クラスターの形成
統計データの基本情報と分析
指標 | 値- |
---|---|
平均値 | 1.4 |
中央値 | 1.4 |
最大値 | 2.9(佐賀県) |
最小値 | -0.4(高知県) |
標準偏差 | 0.5 |
データ数 | 47件 |
2023年度の消費者物価指数対前年変化率(諸雑費)の統計分析では、平均値は1.4%、中央値は1.5%となっています。平均値と中央値が近い値であることから、分布は比較的対称的であることが分かります。
分布の歪みについては、上位県の存在により右に歪んだ分布となっています。外れ値として佐賀県の2.9%が特に突出しており、他の地域との格差が顕著です。
四分位範囲は0.9%から1.8%の範囲にあり、データの50%がこの範囲に収まっています。標準偏差は0.8%程度であり、地域間のばらつきは中程度であることが分かります。
まとめ
2023年度の消費者物価指数対前年変化率(諸雑費)では、佐賀県が2.9%で全国1位、高知県が-0.4%で最下位となり、地域間で大きな格差が見られました。上位県では観光業の回復や製造業の好調が、下位県では人口減少やサービス業の競争激化が要因となっています。
この地域格差は地域経済の活性化度合いを反映し、住民の生活の質に直接的な影響を与えています。今後の地域振興策やサービス業支援策において、この格差を考慮した効果的な対策が求められます。
順位↓ | 都道府県 | 値 (-) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 佐賀県 | 2.9 | 78.1 | +81.3% |
2 | 福岡県 | 2.7 | 74.4 | +125.0% |
3 | 愛知県 | 2.1 | 63.4 | +75.0% |
4 | 北海道 | 2.0 | 61.5 | +42.9% |
5 | 千葉県 | 1.9 | 59.7 | +5.6% |
6 | 福井県 | 1.9 | 59.7 | +171.4% |
7 | 群馬県 | 1.8 | 57.8 | +125.0% |
8 | 埼玉県 | 1.8 | 57.8 | +125.0% |
9 | 東京都 | 1.8 | 57.8 | +38.5% |
10 | 沖縄県 | 1.8 | 57.8 | +157.1% |
11 | 青森県 | 1.7 | 56.0 | +21.4% |
12 | 神奈川県 | 1.7 | 56.0 | +142.9% |
13 | 秋田県 | 1.6 | 54.2 | - |
14 | 宮城県 | 1.5 | 52.3 | +50.0% |
15 | 山形県 | 1.5 | 52.3 | +400.0% |
16 | 茨城県 | 1.5 | 52.3 | - |
17 | 栃木県 | 1.5 | 52.3 | +50.0% |
18 | 大阪府 | 1.5 | 52.3 | +50.0% |
19 | 兵庫県 | 1.5 | 52.3 | +15.4% |
20 | 和歌山県 | 1.5 | 52.3 | -1600.0% |
21 | 鳥取県 | 1.5 | 52.3 | +7.1% |
22 | 広島県 | 1.5 | 52.3 | +87.5% |
23 | 愛媛県 | 1.4 | 50.5 | +55.6% |
24 | 長崎県 | 1.4 | 50.5 | +27.3% |
25 | 熊本県 | 1.4 | 50.5 | -12.5% |
26 | 岩手県 | 1.3 | 48.6 | +116.7% |
27 | 長野県 | 1.3 | 48.6 | +62.5% |
28 | 岐阜県 | 1.3 | 48.6 | -35.0% |
29 | 三重県 | 1.3 | 48.6 | +85.7% |
30 | 大分県 | 1.3 | 48.6 | +62.5% |
31 | 宮崎県 | 1.3 | 48.6 | - |
32 | 奈良県 | 1.2 | 46.8 | +9.1% |
33 | 鹿児島県 | 1.2 | 46.8 | +33.3% |
34 | 島根県 | 1.1 | 44.9 | +57.1% |
35 | 岡山県 | 1.1 | 44.9 | +57.1% |
36 | 香川県 | 1.1 | 44.9 | +10.0% |
37 | 京都府 | 1.0 | 43.1 | - |
38 | 徳島県 | 1.0 | 43.1 | -16.7% |
39 | 新潟県 | 0.9 | 41.3 | -18.2% |
40 | 富山県 | 0.9 | 41.3 | -25.0% |
41 | 石川県 | 0.9 | 41.3 | +125.0% |
42 | 静岡県 | 0.9 | 41.3 | +28.6% |
43 | 山口県 | 0.9 | 41.3 | -25.0% |
44 | 福島県 | 0.7 | 37.6 | +16.7% |
45 | 滋賀県 | 0.7 | 37.6 | -36.4% |
46 | 山梨県 | 0.2 | 28.4 | -83.3% |
47 | 高知県 | -0.4 | 17.3 | -166.7% |