2023年度の消費者物価地域差指数(食料)ランキングでは、沖縄県が106.4で全国1位、長野県が95.9で最下位となっています。地域間で10.5ポイントの格差が存在し、地理的条件や流通構造の違いによる食料品価格の地域差が明確に現れています。上位県では輸送コストや地理的制約が価格を押し上げ、下位県では農業生産の充実や効率的な流通が価格抑制に寄与しています。
概要
消費者物価地域差指数(食料)は、全国を100とした場合の各都道府県の食料品価格の相対的な水準を示す重要な経済指標です。この指数は、各地域の食料品価格の地域格差を客観的に把握し、地域間の生活コストの違いを明確にするために活用されています。
なぜこの指標が重要なのか?
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生活コストの地域格差把握:食料品は日々の生活に欠かせない必需品であり、その価格差は住民の実質的な生活水準に直接影響します
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地域経済政策の基礎データ:政府や自治体が地域振興策や生活支援策を策定する際の重要な判断材料となります
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企業の立地戦略への影響:企業が事業所を設置する際の従業員の生活コスト評価や、小売業の出店戦略において価格設定の参考データとして活用されています
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人口移動・定住政策の判断基準:食料品価格の格差は、人々の居住地選択や移住決定に影響を与える要因の一つです
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社会保障制度の地域調整:生活保護基準や各種手当の地域差設定において、食料品価格の地域格差が考慮要因として重要な役割を果たしています
2023年度のデータでは、最上位の沖縄県が106.4(偏差値82.3)、最下位の長野県が95.9(偏差値30.6)となり、約10.5ポイントの格差が存在しています。この格差は、地理的条件、流通構造、競争環境などの複合的な要因によって形成されており、地域社会に様々な影響を与えています。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
1位:沖縄県(106.4、偏差値82.3)
沖縄県は106.4(偏差値82.3)で全国1位となっています。この高い数値は、島嶼という地理的特性による輸送コストの高さが主要因です。本土から1,500km以上離れた立地により、食料品の多くを海上輸送に依存せざるを得ず、輸送費が商品価格に転嫁されています。また、台風などの自然災害による物流の不安定さも価格上昇要因となっています。
2位:東京都(102.8、偏差値64.6)
東京都は102.8(偏差値64.6)で2位タイとなっています。首都圏の高い人件費や店舗賃料が食料品価格に影響を与えているほか、高品質・高付加価値商品への需要が高いことも価格水準を押し上げています。一方で、豊富な流通インフラと激しい競争により、一部商品では価格抑制効果も見られます。
2位:鳥取県(102.8、偏差値64.6)
鳥取県も102.8(偏差値64.6)で2位タイです。人口規模が小さく、流通の効率化が困難な地域特性が影響しています。また、過疎化による店舗数の減少が競争を制限し、価格維持につながっている可能性があります。一方で、地元産品の豊富さは一部商品の価格安定に寄与しています。
4位:島根県(102.5、偏差値63.1)
島根県は102.5(偏差値63.1)で4位となっています。鳥取県と同様に、人口密度の低さと地理的条件による流通コストの高さが主要因です。離島部を抱える地域特性も価格形成に影響を与えており、地域内での価格差も存在します。
5位:北海道(102.4、偏差値62.6)
北海道は102.4(偏差値62.6)で5位です。広大な面積に対する人口分散により、地域内流通コストが高くなっています。冬季の輸送困難や燃料費の高さも価格上昇要因となっています。ただし、農水産物の豊富な生産基盤により、一部の食品では価格優位性を保っています。
下位5県の詳細分析
47位:長野県(95.9、偏差値30.6)
長野県は95.9(偏差値30.6)で全国最下位となっています。農業県としての特性を活かし、地元産の農産物が豊富に流通していることが価格抑制に寄与しています。また、首都圏との距離が適度で輸送コストが比較的低く、競争の激しい市場環境も価格水準を押し下げています。直売所などの地産地消システムも効果的に機能しています。
46位:宮崎県(96.7、偏差値34.6)
宮崎県は96.7(偏差値34.6)で46位です。温暖な気候を活かした農業生産が活発で、特に野菜類の地元供給が価格安定に貢献しています。また、九州内の流通ネットワークが比較的発達しており、効率的な物流が価格競争力を支えています。
45位:群馬県(96.8、偏差値35.1)
群馬県は96.8(偏差値35.1)で45位です。首都圏に近い立地でありながら、農業生産が盛んで地元産品の供給が豊富です。交通インフラの発達により効率的な物流が実現され、競争環境も活発であることが価格水準を抑制しています。
44位:佐賀県(97.3、偏差値37.5)
佐賀県は97.3(偏差値37.5)で44位です。九州北部の交通要衝に位置し、効率的な物流システムが構築されています。また、農業生産が盛んで地元産品の供給が安定しており、価格競争力の維持に寄与しています。
43位:奈良県(97.4、偏差値38.0)
奈良県は97.4(偏差値38.0)で43位です。関西圏内での流通網が発達しており、大阪市場からの効率的な供給が可能です。また、近隣府県との競争が激しく、価格水準の抑制効果が働いています。
地域別の特徴分析
社会的・経済的影響
最上位の沖縄県(106.4)と最下位の長野県(95.9)の間には10.5ポイントの格差が存在し、地域間の生活コスト格差を明確に示しています。この格差は以下の要因によって生じています:
- 地理的条件の影響:離島や山間部の輸送コストの高さによる価格上昇
- 流通構造の違い:都市部と地方部の流通効率の違いによる価格形成
- 農業生産の充実度:地元産品の供給量による価格競争力の違い
- 競争環境の違い:小売店の競争激化による価格抑制効果の違い
対策と今後の展望
地域間格差の解消に向けて、以下の取り組みが重要となります:
- 流通システムの改善:効率的な物流システムの構築と共同配送の推進
- 地産地消の推進:地元産品の生産・流通・消費の一体的推進
- 競争環境の整備:適正な競争環境の確保と新規参入の促進
- デジタル技術の活用:ECサイトや価格比較システムの導入
統計データの基本情報と分析
指標 | 値‐ |
---|---|
平均値 | 99.8 |
中央値 | 99.8 |
最大値 | 106.4(沖縄県) |
最小値 | 95.9(長野県) |
標準偏差 | 2 |
データ数 | 47件 |
消費者物価地域差指数(食料)の統計分析では、平均値と中央値の比較により分布の特徴を把握できます。上位県と下位県の格差は、地域の地理的条件や流通構造の違いを反映しています。外れ値の存在は、特定地域の地理的・経済的要因の影響を示しています。四分位範囲による分布の特徴分析により、地域間格差の実態をより正確に把握できます。標準偏差によるばらつきの程度は、各地域の生活コストや経済状況の違いを数値的に示しています。
まとめ
順位↓ | 都道府県 | 値 (‐) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 沖縄県 | 106.4 | 82.3 | +1.0% |
2 | 東京都 | 102.8 | 64.6 | -0.2% |
3 | 鳥取県 | 102.8 | 64.6 | +1.1% |
4 | 島根県 | 102.5 | 63.1 | +0.1% |
5 | 北海道 | 102.4 | 62.6 | +0.5% |
6 | 福井県 | 102.3 | 62.1 | -1.3% |
7 | 神奈川県 | 102.0 | 60.6 | +0.2% |
8 | 富山県 | 101.8 | 59.6 | +0.2% |
9 | 石川県 | 101.8 | 59.6 | -0.9% |
10 | 山形県 | 101.6 | 58.7 | -0.7% |
11 | 山口県 | 101.6 | 58.7 | -0.7% |
12 | 熊本県 | 101.2 | 56.7 | +0.4% |
13 | 京都府 | 101.1 | 56.2 | +0.2% |
14 | 広島県 | 101.1 | 56.2 | -0.4% |
15 | 高知県 | 101.1 | 56.2 | +0.4% |
16 | 岡山県 | 100.6 | 53.7 | +0.6% |
17 | 長崎県 | 100.6 | 53.7 | +0.7% |
18 | 千葉県 | 100.5 | 53.3 | +0.2% |
19 | 愛媛県 | 100.5 | 53.3 | +0.2% |
20 | 徳島県 | 100.4 | 52.8 | -0.7% |
21 | 三重県 | 100.3 | 52.3 | -0.4% |
22 | 兵庫県 | 100.0 | 50.8 | -0.3% |
23 | 和歌山県 | 99.9 | 50.3 | -0.3% |
24 | 香川県 | 99.8 | 49.8 | -0.6% |
25 | 滋賀県 | 99.7 | 49.3 | +0.7% |
26 | 新潟県 | 99.5 | 48.3 | -0.6% |
27 | 大阪府 | 99.5 | 48.3 | +0.2% |
28 | 秋田県 | 99.3 | 47.4 | +0.4% |
29 | 宮城県 | 99.0 | 45.9 | +0.8% |
30 | 福島県 | 98.9 | 45.4 | -0.3% |
31 | 大分県 | 98.7 | 44.4 | -0.1% |
32 | 山梨県 | 98.5 | 43.4 | -0.3% |
33 | 青森県 | 98.4 | 42.9 | +0.4% |
34 | 岩手県 | 98.2 | 41.9 | +0.4% |
35 | 栃木県 | 98.2 | 41.9 | -0.7% |
36 | 埼玉県 | 98.1 | 41.5 | -0.3% |
37 | 愛知県 | 98.1 | 41.5 | -0.3% |
38 | 福岡県 | 98.1 | 41.5 | +0.7% |
39 | 茨城県 | 98.0 | 41.0 | -0.1% |
40 | 鹿児島県 | 97.9 | 40.5 | -0.4% |
41 | 静岡県 | 97.6 | 39.0 | -0.3% |
42 | 岐阜県 | 97.5 | 38.5 | -0.2% |
43 | 奈良県 | 97.4 | 38.0 | +0.3% |
44 | 佐賀県 | 97.3 | 37.5 | +0.4% |
45 | 群馬県 | 96.8 | 35.1 | - |
46 | 宮崎県 | 96.7 | 34.6 | +0.7% |
47 | 長野県 | 95.9 | 30.6 | +0.4% |