2023年度の消費者物価地域差指数(光熱・水道)では、北海道が118.3‐で全国1位、大阪府が88.0‐で最下位となっています。地域間の格差は30.3ポイントに達し、光熱・水道費用の地域差が明確に表れています。上位県は寒冷地を中心とした地域が占め、下位県は温暖な地域が多くを占めています。この指標は地域間の生活水準の違いを客観的に示し、転居や就職の判断材料として重要な役割を果たしています。
概要
消費者物価地域差指数(光熱・水道)とは、全国を100とした場合の各都道府県の光熱・水道費の相対的な物価水準を示す重要な経済指標です。この指数は、電気、ガス、水道などの生活に欠かせないエネルギーコストの地域間格差を数値化したものです。
この指標は家計負担の地域差を明確化し、転居や移住を検討する際の重要な判断材料となります。また、各地域のエネルギー供給体制や政策の効果を評価する上で、重要な指標となります。地域間の生活コスト格差を考慮した社会保障制度や地域手当の設定において、この指標は重要な参考データとなります。
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上位5県の詳細分析
北海道
北海道が118.3(偏差値76.2)で全国トップとなった背景には、厳しい寒冷気候による暖房費の高さが大きく影響しています。北海道の冬季は他の地域と比較して長期間にわたり、暖房が生活に必要不可欠となります。特に、灯油やプロパンガスへの依存度が高い地域では、エネルギー価格の変動が直接家計を圧迫する構造となっています。
また、広大な面積による送電・配電コストの高さも指数を押し上げる要因の一つです。人口密度の低さによりインフラ整備コストが割高となり、結果として電力料金に反映されています。
岩手県
岩手県が112.5(偏差値66.9)で2位となった要因は、東北地方特有の寒冷気候と、東日本大震災後のエネルギー供給体制の変化が影響しています。内陸部の寒冷地域では長期間の暖房が必要で、特に灯油消費量が全国平均を大きく上回っています。
さらに、復興過程でのインフラ整備コストが光熱費に転嫁されている側面もあり、地域のエネルギー政策の見直しが求められています。
青森県
青森県の112.0(偏差値66.1)は、本州最北端という地理的条件による暖房費の高さが主要因です。特に、津軽地方の豪雪地帯では除雪費用も含めた冬季の光熱費負担が深刻な問題となっています。
また、人口減少により一人当たりのインフラ維持コストが増大し、これが光熱費に反映されている状況も見逃せません。
山形県
山形県の111.8(偏差値65.8)は、内陸性気候による寒暖差の激しさが影響しています。特に、山間部では冬季の暖房費と夏季の冷房費の両方が高くなる傾向があり、年間を通じた光熱費負担が大きくなっています。
地域的には、最上地方の豪雪地帯で特に指数が高く、地域内格差も存在しています。
島根県
島根県の110.9(偏差値64.4)は、中国山地の影響による寒冷気候と、人口散在によるインフラ効率の低さが要因です。特に、山間部では都市ガスの供給が限定的で、プロパンガスや灯油への依存度が高く、これが光熱費を押し上げています。
離島部では本土からの燃料輸送コストも加わり、より高い光熱費負担となっています。
下位5県の詳細分析
大阪府
大阪府が88.0(偏差値27.7)で最下位となった背景には、温暖な気候と効率的なエネルギー供給体制があります。関西圏の都市ガス普及率の高さにより、相対的に安価なエネルギー供給が実現されています。
また、人口密度の高さによりインフラ効率が良好で、一人当たりのコストが低く抑えられています。競争の激しい電力・ガス市場も料金の抑制に寄与しています。
兵庫県
兵庫県の91.0(偏差値32.5)は、阪神工業地帯の効率的なエネルギー供給システムと温暖な瀬戸内海気候が要因です。特に、都市ガスの普及率が高く、工業用エネルギーとの効率的な連携が家庭用料金の抑制につながっています。
ただし、北部の豪雪地帯では異なる傾向を示しており、県内格差も存在しています。
滋賀県
滋賀県の92.6(偏差値35.1)は、京阪神圏との近接性による効率的なエネルギー供給と、比較的温暖な気候が影響しています。琵琶湖周辺の温暖な気候により、暖房費負担が他の内陸県と比較して軽減されています。
関西電力圏内での安定した電力供給も、光熱費の抑制に寄与しています。
和歌山県
和歌山県の93.0(偏差値35.7)は、紀伊半島の温暖な気候と、関西圏のエネルギー供給体制の恩恵を受けています。特に、沿岸部の温暖な気候により、暖房費負担が大幅に軽減されています。
ただし、山間部では暖房需要が高く、地域内での格差が存在しています。
鹿児島県
鹿児島県の93.5(偏差値36.5)は、南九州の温暖な気候が最大の要因です。年間を通じて暖房需要が低く、これが光熱費の大幅な抑制につながっています。
また、地熱発電などの再生可能エネルギーの活用も、電力料金の安定化に寄与しています。
社会的・経済的影響
最上位の北海道(118.3)と最下位の大阪府(88.0)の間には30.3ポイントの格差があり、これは家計の光熱・水道費負担に直接影響します。月額光熱・水道費が平均15,000円の家庭の場合、北海道では約4,545円多く、大阪府では約1,800円少なくなる計算です。
企業の事業展開における立地選択への影響や、地域間の事業コスト格差による競争力の違いが生じています。製造業や大型施設を運営する企業にとって、光熱・水道費の地域差は運営コストに直結するため、立地選択の重要な判断材料となります。
地域間の生活コスト格差を考慮した社会保障制度の設計において、重要な参考指標となっています。寒冷地域の暖房費負担や、電力・ガス供給体制の違いによる地域格差の構造を理解することで、公平な社会保障制度の設計に役立ちます。
対策と今後の展望
各地域の経済構造や地理的特性に応じた光熱・水道インフラの整備が重要です。高コスト地域では省エネ住宅の普及や地域暖房システムの導入、低コスト地域では産業振興や所得向上策が必要となります。
全国的なエネルギー供給ネットワークの整備と効率化により、地域間の格差の縮小が期待されます。再生可能エネルギーの導入や地域エネルギー政策の推進も重要な課題となっています。
各地域の特性を活かした産業振興により、適正な光熱・水道コストの維持と地域経済の活性化の両立が求められています。観光業や製造業など、地域の強みを活かした取り組みが重要です。
光熱・水道格差を考慮した社会保障制度の設計や、地域の実情に応じた支援策の実施により、地域間の生活水準格差の縮小が期待されます。
指標 | 値‐ |
---|---|
平均値 | 101.9 |
中央値 | 101.7 |
最大値 | 118.3(北海道) |
最小値 | 88(大阪府) |
標準偏差 | 6.2 |
データ数 | 47件 |
統計データの基本情報と分析
平均値は101.9に対して中央値は101.7となっており、データの分布は概ね正規分布に近い形状を示しています。分布の特徴として、標準偏差は比較的大きく、地域間の格差が明確に表れています。
外れ値の影響として、北海道(118.3)が最も大きな外れ値となっており、寒冷地の特殊性を反映しています。四分位範囲の分析では、第1四分位と第3四分位の間で都道府県の半数が分布しており、地域間の格差が明確に表れています。
順位↓ | 都道府県 | 値 (‐) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 北海道 | 118.3 | 76.2 | +3.1% |
2 | 岩手県 | 112.5 | 66.9 | +1.2% |
3 | 青森県 | 112.0 | 66.1 | +1.8% |
4 | 山形県 | 111.8 | 65.8 | +1.3% |
5 | 島根県 | 110.9 | 64.4 | +0.5% |
6 | 福島県 | 110.3 | 63.4 | +1.6% |
7 | 山口県 | 109.7 | 62.4 | +0.9% |
8 | 茨城県 | 108.7 | 60.8 | +0.7% |
9 | 秋田県 | 108.3 | 60.2 | +0.9% |
10 | 鳥取県 | 107.6 | 59.1 | +0.5% |
11 | 岡山県 | 106.0 | 56.5 | +1.7% |
12 | 長野県 | 105.4 | 55.6 | - |
13 | 長崎県 | 105.1 | 55.1 | -2.6% |
14 | 広島県 | 104.8 | 54.6 | +1.0% |
15 | 宮城県 | 104.5 | 54.1 | +1.1% |
16 | 愛媛県 | 103.7 | 52.8 | +1.1% |
17 | 石川県 | 103.6 | 52.7 | +4.0% |
18 | 佐賀県 | 103.5 | 52.5 | -3.6% |
19 | 沖縄県 | 103.2 | 52.0 | +1.6% |
20 | 徳島県 | 102.7 | 51.2 | +1.2% |
21 | 三重県 | 102.4 | 50.8 | +1.2% |
22 | 富山県 | 102.0 | 50.1 | +3.8% |
23 | 千葉県 | 101.8 | 49.8 | +0.1% |
24 | 静岡県 | 101.7 | 49.6 | +1.5% |
25 | 栃木県 | 101.3 | 49.0 | +0.5% |
26 | 山梨県 | 101.2 | 48.8 | +0.4% |
27 | 新潟県 | 100.9 | 48.4 | +1.7% |
28 | 群馬県 | 100.8 | 48.2 | -0.8% |
29 | 高知県 | 100.8 | 48.2 | +1.0% |
30 | 香川県 | 100.5 | 47.7 | -0.3% |
31 | 神奈川県 | 99.6 | 46.3 | - |
32 | 愛知県 | 99.5 | 46.1 | +0.1% |
33 | 岐阜県 | 98.5 | 44.5 | +0.7% |
34 | 福井県 | 98.3 | 44.2 | +4.0% |
35 | 大分県 | 98.2 | 44.0 | -2.9% |
36 | 福岡県 | 97.7 | 43.2 | -1.6% |
37 | 東京都 | 97.2 | 42.4 | +0.8% |
38 | 埼玉県 | 97.1 | 42.3 | +0.9% |
39 | 宮崎県 | 96.0 | 40.5 | -2.0% |
40 | 熊本県 | 95.6 | 39.9 | -2.0% |
41 | 奈良県 | 94.6 | 38.3 | -3.0% |
42 | 京都府 | 94.2 | 37.6 | -2.9% |
43 | 鹿児島県 | 93.5 | 36.5 | -3.4% |
44 | 和歌山県 | 93.0 | 35.7 | -3.8% |
45 | 滋賀県 | 92.6 | 35.1 | -3.7% |
46 | 兵庫県 | 91.0 | 32.5 | -3.5% |
47 | 大阪府 | 88.0 | 27.7 | -2.9% |