2023年度の都道府県別教養娯楽費割合(二人以上の世帯)は神奈川県が12.0%で全国1位、長崎県が7.0%で最下位となりました。上位には首都圏や関西圏の都府県が多く含まれ、下位には地方の県が集中しています。教養娯楽費割合は地域の文化的成熟度を示す重要指標で、地域の生活の質と将来の文化政策を検討する上で欠かせないデータです。
概要
教養娯楽費割合(二人以上の世帯)は二人以上の世帯における家計支出総額に占める教養娯楽費の割合を示す基本的な生活統計指標です。この指標は書籍・雑誌、文化娯楽費、スポーツ・レクリエーション用品、パソコン・カメラ等の情報機器、教育・学習費用など、精神的・知的な豊かさに関する支出の比重を測定します。また、地域の文化レベルと生活の質を反映する社会指標としても活用されています。
2023年度のデータでは全国平均が約9%となり、都道府県間で大きな格差が存在しています。首都圏や関西圏で高い数値を示す一方、地方では比較的低い傾向が見られます。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
神奈川県(1位)
神奈川県は12.0%の教養娯楽費割合で全国1位を獲得し、偏差値77.7という突出した数値を記録しました。首都圏の恵まれた立地条件と高い所得水準が、文化・教養活動への積極的な投資を可能にしています。横浜・川崎などの都市部での高い所得水準と、東京都心部へのアクセスの良さによる文化施設利用の便利さが背景にあります。また、教育熱心な家庭が多い住宅地域としての特性と、IT・研究開発関連企業の集積による知識労働者の多さも寄与しています。
東京都(2位)
東京都は11.8%の教養娯楽費割合で2位にランクインし、偏差値75.7を記録しています。日本の政治・経済・文化の中心地として、多様な文化・教養活動の機会に恵まれています。美術館、博物館、劇場、コンサートホールなどの文化施設の充実や、書店、映画館、音楽関連施設の豊富さが特徴です。また、高等教育機関の集積による学習環境の充実と、多様な文化イベントやセミナーの開催頻度の高さも教養娯楽費の増加につながっています。
兵庫県(3位)
兵庫県は10.5%の教養娯楽費割合で3位となり、偏差値62.8を達成しました。関西圏の中核県として、文化・教育環境が整備されています。神戸市を中心とした国際的な文化環境と、関西圏の文化施設へのアクセスの良さが特徴です。また、教育・研究機関の充実と、歴史的・文化的資源の豊富さが教養娯楽費の増加に寄与しています。関西圏の文化的蓄積を活かした教養娯楽投資が行われています。
石川県(4位)
石川県は10.4%の教養娯楽費割合で4位にランクし、偏差値61.8を記録しています。伝統文化と現代文化が調和した独特な文化環境を持っています。金沢市の歴史的・文化的価値の高さと、伝統工芸品や芸能への関心の高さが特徴です。また、21世紀美術館などの現代的文化施設の充実と、教育に対する県民意識の高さも教養娯楽費の増加につながっています。伝統文化の継承への関心が高い地域です。
千葉県(5位)
千葉県は10.3%の教養娯楽費割合で5位となり、偏差値60.8を達成しました。首都圏の一角として、東京都心部の文化的恩恵を受けています。首都圏のベッドタウンとしての高い所得水準と、東京都心部への通勤者の多さが背景にあります。また、住宅地域での教育・文化活動への関心の高さと、幕張メッセなどの文化・学習イベント会場の存在も寄与しています。首都圏の優位性が顕著に表れています。
下位5県の詳細分析
富山県(43位)
富山県は7.9%の教養娯楽費割合で43位にランクし、偏差値36.9となっています。堅実な県民性と製造業中心の経済構造が影響しています。製造業中心の経済構造と、堅実な消費性向が特徴です。また、高齢化の進行と、都市部への文化施設の集中も教養娯楽費の減少につながっています。地域による経済構造の違いが教養娯楽費の格差に反映されています。
青森県(44位)
青森県は7.8%の教養娯楽費割合で44位となり、偏差値35.9を記録しています。東北地方の地理的条件と経済状況が影響しています。冬期間の生活費負担の大きさと、若年層の県外流出が課題です。また、第一次産業中心の経済構造と、都市部への距離による文化施設利用の制約も教養娯楽費の減少につながっています。東北地方の地理的制約と経済的課題が反映されています。
宮崎県(45位)
宮崎県は7.6%の教養娯楽費割合で45位にランクし、偏差値33.9となっています。農業県としての特徴が消費パターンに影響しています。農業中心の経済構造と、人口減少・高齢化の進行が特徴です。また、文化施設の限定的な整備状況と、県外への人材流出も教養娯楽費の減少につながっています。九州・沖縄地方の改善の余地がある地域の一つです。
沖縄県(46位)
沖縄県は7.4%の教養娯楽費割合で46位となり、偏差値31.9を記録しています。独特の地理的・社会的条件が影響しています。離島県としての物価高による生活費負担と、平均所得水準の低さが課題です。また、独特な文化・芸能の存在による消費パターンの違いと、観光産業中心の経済構造も教養娯楽費の減少につながっています。九州・沖縄地方の地域的な課題が浮き彫りになっています。
長崎県(47位)
長崎県は7.0%の教養娯楽費割合で最下位となり、偏差値27.9を記録しています。離島が多い地理的条件や高齢化の進行が影響しています。離島部での文化施設アクセスの制約と、高齢化による消費パターンの変化が課題です。また、若年層の県外流出による教育投資の減少と、基本的生活費の負担の大きさも教養娯楽費の減少につながっています。九州・沖縄地方の地域的な課題が最も深刻な地域です。
地域別の特徴分析
関東地方
関東地方では神奈川県(1位)、東京都(2位)、千葉県(5位)が上位にランクインしており、首都圏の優位性が顕著に表れています。高い所得水準による教養娯楽費への投資余力と、文化施設・教育機関の充実が特徴です。また、多様な文化・学習機会の提供と、知識労働者の集積も教養娯楽費の増加に寄与しています。関東地方は文化・教養投資の先進地域となっています。
関西地方
兵庫県(3位)を筆頭に、歴史的・文化的蓄積を活かした教養娯楽投資が行われています。歴史的・文化的資源の豊富さと、教育機関の伝統的な充実が特徴です。また、関西圏の文化的一体性と、伝統文化と現代文化の調和も教養娯楽費の増加に寄与しています。関西地方は歴史と文化の融合を特徴としています。
中部地方
石川県(4位)が上位に位置する一方で、富山県(43位)が下位に位置するなど、地域内での格差が見られます。地域による経済構造の違いと、伝統文化の継承への関心が特徴です。また、製造業と文化産業のバランスと、教育に対する意識の地域差も教養娯楽費の格差に反映されています。中部地方は地域特性の多様性を特徴としています。
九州・沖縄地方
長崎県(47位)、沖縄県(46位)、宮崎県(45位)が下位に集中しており、地域的な課題が浮き彫りになっています。離島・過疎地域での文化施設アクセスの制約と、高齢化の進行による消費パターンの変化が課題です。また、若年層の県外流出と、基本的生活費の負担の大きさも教養娯楽費の減少につながっています。九州・沖縄地方は改善の余地がある地域となっています。
東北地方
青森県(44位)を含め、全体的に教養娯楽費の割合が低い傾向にあります。冬期間の生活費負担と、第一次産業中心の経済構造が特徴です。また、都市部への距離による制約と、人口減少・高齢化の影響も教養娯楽費の減少につながっています。東北地方は地理的制約と経済的課題を抱えています。
社会的・経済的影響
教養娯楽費割合の地域間格差5.0ポイント(神奈川県12.0%と長崎県7.0%の差)は、将来の地域文化と経済発展に深刻な影響をもたらします。高割合地域では文化的成熟度の向上が期待できる一方、低割合地域では文化的発展の課題となっています。
- 人材育成への影響:教育・学習費への投資差が将来の人材の質に影響
- 地域文化の格差:文化施設利用機会の地域差による文化的成熟度の違い
- 経済的影響:知識・スキル習得機会の地域格差による経済発展への影響
- 創造性の地域差:文化活動への投資差による創造性・イノベーション能力の地域差
- 地域活性化への影響:文化・教養活動への関心差による地域活性化の格差
対策と今後の展望
教養娯楽費割合の地域間格差是正には、各地域の特性を活かした文化政策の展開が不可欠です。高割合地域では文化的成熟度の向上と国際競争力強化、低割合地域では文化施設の整備と地域ブランド化の両立が重要となります。
地域の特性を活かした文化環境の整備や、文化施設の充実が求められています。特に文化施設の整備、教育機会の拡充、地域ブランドの確立が教養娯楽費割合向上の鍵となります。また、地域間の格差是正に向けた国レベルの支援策も重要です。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値% |
---|---|
平均値 | 9.2 |
中央値 | 9.3 |
最大値 | 12(神奈川県) |
最小値 | 7(長崎県) |
標準偏差 | 1 |
データ数 | 47件 |
2023年度の教養娯楽費割合データを統計的に分析すると、全国平均値は約9%、中央値は約9%となっています。平均値と中央値が近い値であることから、データの分布は比較的対称的であることが分かります。しかし、神奈川県の12.0%という突出した高値と長崎県の7.0%という低値の存在により、地域間の格差は非常に大きい状況です。
標準偏差は約1.5%と比較的大きな値となっており、都道府県間での教養娯楽費割合のばらつきが大きいことを示しています。四分位範囲は約2%で、上位25%と下位25%の県の間にも明確な格差が存在しています。外れ値として神奈川県が特に顕著で、他の県とは大きく異なる水準を維持しています。
まとめ
順位↓ | 都道府県 | 値 (%) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 神奈川県 | 12.0 | 77.7 | +22.4% |
2 | 東京都 | 11.8 | 75.7 | +14.6% |
3 | 兵庫県 | 10.5 | 62.8 | -0.9% |
4 | 石川県 | 10.4 | 61.8 | -4.6% |
5 | 千葉県 | 10.3 | 60.8 | +4.0% |
6 | 愛知県 | 10.3 | 60.8 | +6.2% |
7 | 埼玉県 | 10.0 | 57.8 | -7.4% |
8 | 三重県 | 10.0 | 57.8 | +5.3% |
9 | 栃木県 | 9.9 | 56.8 | +17.9% |
10 | 長野県 | 9.9 | 56.8 | +10.0% |
11 | 滋賀県 | 9.9 | 56.8 | +7.6% |
12 | 徳島県 | 9.9 | 56.8 | +5.3% |
13 | 奈良県 | 9.8 | 55.8 | +1.0% |
14 | 福岡県 | 9.8 | 55.8 | -1.0% |
15 | 鳥取県 | 9.7 | 54.8 | +16.9% |
16 | 岡山県 | 9.7 | 54.8 | +16.9% |
17 | 山口県 | 9.7 | 54.8 | +32.9% |
18 | 群馬県 | 9.6 | 53.8 | +3.2% |
19 | 静岡県 | 9.6 | 53.8 | +2.1% |
20 | 岩手県 | 9.5 | 52.8 | +5.6% |
21 | 京都府 | 9.5 | 52.8 | +2.1% |
22 | 大阪府 | 9.5 | 52.8 | -3.1% |
23 | 熊本県 | 9.4 | 51.8 | +8.1% |
24 | 福井県 | 9.3 | 50.8 | +10.7% |
25 | 香川県 | 9.2 | 49.8 | +8.2% |
26 | 福島県 | 9.1 | 48.8 | +3.4% |
27 | 茨城県 | 9.1 | 48.8 | +4.6% |
28 | 高知県 | 9.1 | 48.8 | +13.8% |
29 | 宮城県 | 9.0 | 47.8 | -2.2% |
30 | 和歌山県 | 8.8 | 45.8 | +7.3% |
31 | 広島県 | 8.7 | 44.8 | -6.5% |
32 | 大分県 | 8.7 | 44.8 | -8.4% |
33 | 北海道 | 8.6 | 43.8 | -12.2% |
34 | 山梨県 | 8.6 | 43.8 | +7.5% |
35 | 秋田県 | 8.5 | 42.8 | -3.4% |
36 | 鹿児島県 | 8.5 | 42.8 | +6.3% |
37 | 新潟県 | 8.4 | 41.8 | - |
38 | 島根県 | 8.4 | 41.8 | -8.7% |
39 | 山形県 | 8.3 | 40.8 | +2.5% |
40 | 愛媛県 | 8.3 | 40.8 | -9.8% |
41 | 佐賀県 | 8.2 | 39.8 | +6.5% |
42 | 岐阜県 | 8.1 | 38.8 | -6.9% |
43 | 富山県 | 7.9 | 36.9 | -16.8% |
44 | 青森県 | 7.8 | 35.9 | -2.5% |
45 | 宮崎県 | 7.6 | 33.9 | -6.2% |
46 | 沖縄県 | 7.4 | 31.9 | +1.4% |
47 | 長崎県 | 7.0 | 27.9 | +7.7% |