2022年度の都道府県別死亡数ランキングでは、東京都が139,264人で最多となり、鳥取県が8,031人で最少となっています。人口規模の違いが大きく影響しており、大都市圏では死亡数が多く、地方の小規模県では死亡数が少ない傾向が見られます。高齢化率や医療アクセスの地域差も死亡数に影響を与えており、今後の超高齢社会に向けた課題が浮き彫りになっています。
概要
2022年度の都道府県別死亡数は、人口規模と地域特性が大きく反映された結果となっています。東京都をはじめとする大都市圏では死亡数が多く、鳥取県や島根県などの地方の小規模県では死亡数が少なくなっています。しかし、人口あたりの死亡率で見ると、地方の小規模県では高齢化率が高いため、相対的な死亡率は高くなる傾向があります。
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上位県と下位県の比較
上位県(死亡数が多い県)の特徴
東京都(139,264人)
日本最大の人口を抱える都市として、死亡数も最多となり、ランキングでは1位(偏差値86.5)を獲得しています。比較的若年層の割合が高いため、人口あたりの死亡率は全国平均より低い傾向にあります。
大阪府(106,277人)
関西圏の中心都市として大きな人口を抱え、高齢化も進んでいることから死亡数が多く2位(偏差値75.2)となっています。都市部の人口集中が死亡数の多さに直結しています。
神奈川県(98,821人)
首都圏の主要県として人口が多く、それに伴い死亡数も多くなり3位(偏差値72.6)にランクされています。東京都や大阪府と同様に、偏差値は高い値を示しています。
埼玉県(82,221人)
首都圏のベッドタウンとして人口増加が続いていましたが、近年は高齢化が進み、死亡数も増加傾向で4位(偏差値66.9)となっています。
愛知県(81,183人)
中京圏の中心として大きな人口を抱え、製造業を中心とした産業集積地として、死亡数も多く5位(偏差値66.5)となっています。
下位県(死亡数が少ない県)の特徴
鳥取県(8,031人)
日本で最も人口が少ない県であり、死亡数も最も少なく、ランキングでは47位(偏差値41.3)となっています。しかし、高齢化率は高く、人口あたりの死亡率では全国平均を上回る傾向にあります。
島根県(10,434人)
人口規模が小さく、若年層の流出が続いている地方県として、総死亡数は少なく46位(偏差値42.1)となっています。高齢化率は全国でも上位に位置しています。
福井県(10,519人)
北陸地方の小規模県であり、人口規模に応じて死亡数も少なく45位(偏差値42.1)となっています。製造業を中心とした産業基盤があり、比較的安定した地域経済を維持しています。
徳島県(10,968人)
四国地方の人口規模が小さい県として、死亡数も少なく44位(偏差値42.3)にランクインしています。高齢化率は高く、医療資源の確保が課題となっています。
山梨県(11,090人)
内陸県で人口規模が小さく、死亡数も少なく43位(偏差値42.3)となっています。首都圏に近いという地理的条件がありながらも、人口減少が進んでいる状況です。
地域別の特徴分析
関東地方
関東地方は東京都、神奈川県、埼玉県など大都市圏が集中し、全体の死亡数の約30%を占めています。人口集中に伴い死亡数も多くなっていますが、比較的若年層の割合が高いため、人口あたりの死亡率は全国平均より低い傾向にあります。
関西地方
大阪府を中心とした関西地方では、都市部の人口集中により死亡数が多くなっています。高齢化も進んでいることから、今後は死亡数の増加が予想されます。
中部地方
愛知県を中心とした中部地方では、製造業の集積により人口が多く、死亡数も多くなっています。産業構造と人口動態が死亡数に影響を与えています。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方では、福岡県などの都市部を除き、比較的死亡数が少ない傾向にあります。しかし、高齢化率は高く、人口あたりの死亡率は高い県も見られます。
中国・四国地方
中国・四国地方では、島根県や鳥取県、徳島県など小規模県が多く、死亡数は少ないものの、高齢化率が高いため人口あたりの死亡率は高い傾向にあります。
東北・北海道地方
東北・北海道地方では、北海道が74,437人で6位と比較的多い死亡数を記録しています。地方の高齢化が進んでいることから、今後は死亡数の増加が懸念されます。
社会的・経済的影響
2022年の死亡数を地域別に分析すると、関東地方が全体の約30%を占め、近畿地方が約18%、中部地方が約17%と続いています。これらの大都市圏では人口集中に伴い死亡数も多くなっていますが、偏差値で見ると関東地方の平均は高く、四国地方は低い値を示しています。
これは大都市圏では比較的若年層の割合が高いのに対し、地方では高齢化が進んでいることを反映しています。特に四国地方や中国地方では、偏差値の平均が低く、人口が少ないため死亡数は少ないものの、人口あたりの死亡率は高い傾向にあります。
三大都市圏(首都圏、関西圏、中京圏)では医療機関の集積があり、高度医療へのアクセスが比較的良好です。一方、死亡数は少ないものの、死亡数ランキング下位(死亡数が少ない)の地方県では医師不足や医療機関の減少が課題となっており、これが人口あたりの死亡率に影響を与えている可能性があります。
対策と今後の展望
日本全体で進行する高齢化は、死亡数増加の主要因となっています。特に75歳以上の後期高齢者の増加に伴い、死亡数は今後も増加傾向が続くと予測されています。
偏差値が低い地方県(ランキング下位の県)では、若年層の流出と高齢者の残留により高齢化が加速しています。例えば鳥取県(47位、偏差値41.3)や島根県(46位、偏差値42.1)では、人口減少と高齢化が同時に進行しており、人口あたりの死亡率が高くなっています。
人口減少社会において、死亡数の地域差は今後さらに拡大する可能性があります。特に地方の過疎地域では、人口減少と高齢化の負の連鎖により、医療・介護サービスの維持が困難になることが懸念されています。
一方、ランキング上位の大都市圏でも高齢化は進行しており、今後は東京都(1位、139,264人)や大阪府(2位、106,277人)などでも死亡数の増加が予想されます。
高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が全国で進められています。
特に死亡数が少なく偏差値が低い地方県(鳥取県、島根県、福井県など下位県)では、限られた医療資源を効率的に活用するための地域連携が重要となっています。
死亡数の増加を抑制するためには、生活習慣病の予防や早期発見・早期治療が重要です。特に死亡数が多いランキング上位の大都市圏(東京都、大阪府、神奈川県など)では、健康診断の受診率向上や生活習慣の改善に向けた取り組みが進められています。
また、地域の特性に合わせた健康施策の展開も重要です。例えば、高齢化率の高い地方では、フレイル予防や認知症対策などが優先課題となっています。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値人 |
---|---|
平均値 | 33,363.8 |
中央値 | 23,341 |
最大値 | 139,264(東京都) |
最小値 | 8,031(鳥取県) |
標準偏差 | 28,975 |
データ数 | 47件 |
2022年度の都道府県別死亡数データを統計的に分析すると、平均値は約35,000人、中央値は約25,000人となっています。平均値が中央値を上回っていることから、死亡数の分布は右に歪んでいることが分かります。
標準偏差は約30,000人と大きく、都道府県間で死亡数に大きな格差があることを示しています。四分位範囲を見ると、第1四分位数は約15,000人、第3四分位数は約45,000人となっており、上位25%の県と下位25%の県で大きな差があります。
外れ値として東京都(139,264人)が際立っており、2位の大阪府(106,277人)との差も約33,000人と大きくなっています。一方、下位の鳥取県(8,031人)と島根県(10,434人)の差は約2,400人と比較的小さくなっています。
まとめ
2022年度の都道府県別死亡数データは、日本の人口動態や地域の医療・福祉体制を考える上で重要な指標となっています。死亡数の多さを示すランキングでは大都市圏が上位を占めていますが、単なる死亡数の多寡だけでなく、偏差値や地域特性を踏まえた分析が必要です。
ランキング上位の大都市圏では死亡数は多いものの偏差値は高く、下位の地方の小規模県では人口集中により死亡数は少ないものの偏差値は低いという特徴が見られます。これは人口構成や高齢化率、医療アクセスなど、様々な要因が複合的に影響した結果と考えられます。
今後の超高齢社会に向けて、死亡数の地域差を踏まえた医療・介護体制の構築が求められています。
順位↓ | 都道府県 | 値 (人) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京都 | 139,264 | 86.5 | +9.1% |
2 | 大阪府 | 106,277 | 75.2 | +9.3% |
3 | 神奈川県 | 98,821 | 72.6 | +10.2% |
4 | 埼玉県 | 82,221 | 66.9 | +9.4% |
5 | 愛知県 | 81,183 | 66.5 | +10.1% |
6 | 北海道 | 74,437 | 64.2 | +7.8% |
7 | 千葉県 | 72,258 | 63.4 | +10.8% |
8 | 兵庫県 | 66,541 | 61.5 | +7.4% |
9 | 福岡県 | 61,302 | 59.6 | +8.7% |
10 | 静岡県 | 47,334 | 54.8 | +9.6% |
11 | 茨城県 | 37,256 | 51.3 | +10.2% |
12 | 広島県 | 34,940 | 50.5 | +10.0% |
13 | 新潟県 | 32,313 | 49.6 | +4.3% |
14 | 京都府 | 31,491 | 49.4 | +11.2% |
15 | 長野県 | 28,503 | 48.3 | +9.6% |
16 | 宮城県 | 28,040 | 48.2 | +8.3% |
17 | 福島県 | 27,394 | 47.9 | +7.2% |
18 | 群馬県 | 26,589 | 47.7 | +9.4% |
19 | 岐阜県 | 26,175 | 47.5 | +8.5% |
20 | 栃木県 | 24,992 | 47.1 | +10.0% |
21 | 岡山県 | 24,901 | 47.1 | +8.9% |
22 | 熊本県 | 24,427 | 46.9 | +10.6% |
23 | 鹿児島県 | 23,925 | 46.7 | +8.8% |
24 | 三重県 | 23,341 | 46.5 | +7.9% |
25 | 山口県 | 20,687 | 45.6 | +6.6% |
26 | 青森県 | 20,117 | 45.4 | +7.1% |
27 | 愛媛県 | 19,993 | 45.4 | +6.5% |
28 | 岩手県 | 19,342 | 45.2 | +9.7% |
29 | 長崎県 | 19,309 | 45.1 | +5.8% |
30 | 秋田県 | 17,256 | 44.4 | +7.7% |
31 | 奈良県 | 17,166 | 44.4 | +10.2% |
32 | 山形県 | 16,883 | 44.3 | +7.2% |
33 | 大分県 | 16,266 | 44.1 | +7.7% |
34 | 宮崎県 | 16,111 | 44.0 | +11.0% |
35 | 沖縄県 | 15,054 | 43.7 | +10.8% |
36 | 富山県 | 15,052 | 43.7 | +10.3% |
37 | 滋賀県 | 15,043 | 43.7 | +10.0% |
38 | 石川県 | 14,316 | 43.4 | +8.3% |
39 | 和歌山県 | 14,308 | 43.4 | +10.7% |
40 | 香川県 | 13,552 | 43.2 | +9.9% |
41 | 高知県 | 11,472 | 42.4 | +10.1% |
42 | 佐賀県 | 11,204 | 42.4 | +10.4% |
43 | 山梨県 | 11,090 | 42.3 | +9.7% |
44 | 徳島県 | 10,968 | 42.3 | +4.8% |
45 | 福井県 | 10,519 | 42.1 | +8.2% |
46 | 島根県 | 10,434 | 42.1 | +5.9% |
47 | 鳥取県 | 8,031 | 41.3 | +5.6% |