都道府県別消防本部・署数ランキング(2023年度)

概要

消防本部・署数は、各都道府県の消防体制の充実度を示す重要な指標です。人口密度や地理的条件、都市化の進展などにより、消防署の配置や数は大きく異なります。2023年度のデータを基に、都道府県別の消防本部・署数を詳しく分析します。

地図データを読み込み中...

上位県と下位県の比較

上位5県の詳細分析

北海道426署(偏差値87.5)で全国1位となっています。広大な面積を持つ北海道では、分散した市町村に対応するため多数の消防署が必要となり、圧倒的な消防署数を誇っています。

東京都309署(偏差値73.3)で2位です。人口密度が高く、高層建築物も多い首都圏の特性から、きめ細かな消防体制の整備が進んでいます。

神奈川県288署(偏差値70.7)で3位、大阪府276署(偏差値69.3)で4位、愛知県250署(偏差値66.1)で5位となっており、いずれも人口規模や都市化の進展に対応した充実した消防体制を構築しています。

下位5県の詳細分析

鳥取県29署(偏差値39.2)で全国最下位となっています。人口が最も少ない県の一つであり、消防署数も最小規模となっています。

佐賀県40署(偏差値40.5)で46位、宮崎県44署(偏差値41.0)で45位、香川県45署(偏差値41.2)で44位、徳島県46署(偏差値41.3)で43位となっており、いずれも人口規模に応じた適正な消防署数となっています。

地域別の特徴分析

関東地方では、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県がいずれも上位に位置し、首都圏の高い人口密度と都市化に対応した消防体制の充実が見られます。

関西地方では、大阪府と兵庫県が上位に入り、京都府も16位と比較的上位に位置しています。人口集中地域における消防インフラの整備が進んでいることが分かります。

九州地方では、福岡県が9位と上位に位置する一方、佐賀県、宮崎県などは下位に位置しており、県による差が大きくなっています。

四国地方の各県は全体的に下位に集中しており、人口規模の小ささが消防署数に反映されています。

格差と課題の考察

最上位の北海道(426署)と最下位の鳥取県(29署)の間には約14.7倍の格差があります。この格差は主に面積や人口の違いによるものですが、人口当たりの消防署数では異なる傾向が見られる可能性があります。

人口密集地域では効率的な消防サービスの提供が可能である一方、地方部では広い範囲をカバーするため、限られた資源での効果的な消防体制の構築が課題となっています。

また、高齢化の進展や自然災害の多発化を踏まえ、消防署の配置だけでなく、地域の特性に応じた消防力の質的向上も重要な課題となっています。

統計データの基本情報と分析

全国の消防本部・署数の平均は約110.6署、中央値は91署となっています。平均値が中央値を上回っていることから、上位県の数値が全体を押し上げる右に裾の長い分布となっています。

標準偏差は約82.5で、都道府県間のばらつきが相当に大きいことが分かります。特に北海道の426署は明らかな外れ値として分布に大きな影響を与えています。

第1四分位数は59署、第3四分位数は148署で、約半数の都道府県が60署から150署の範囲に集中しています。この範囲を大きく上回る都道府県は、特に充実した消防体制を持つ地域と言えるでしょう。

まとめ

2023年度の都道府県別消防本部・署数は、北海道が426署で圧倒的な1位、続いて東京都、神奈川県などの人口密集地域が上位を占めています。下位は四国地方や九州地方の一部県が占めており、人口規模や地理的条件が消防署数に大きく影響していることが明らかになりました。

各地域の特性に応じた適切な消防体制の整備が進む一方で、人口減少や高齢化が進む地域では、効率的で持続可能な消防サービスの提供方法を検討していく必要があります。

出典