国籍で変わる人気の県

インバウンド
国籍別
外国人宿泊者
韓国
中国
台湾
米国
地域分布

「インバウンド」と一括りにされがちな外国人観光客。しかし国籍別に宿泊先を見ると、韓国人・台湾人・中国人・米国人でまったく異なる「お気に入りの県」があることがデータからわかる。2024年の宿泊旅行統計調査をもとに、国籍別の宿泊パターンを分析する。

韓国人は福岡・大阪に集中──地理的近接性が生む偏り

韓国人宿泊者の地域分布を全国シェアで見ると、東京都と大阪府で大きなシェアを占めるのは他の国籍と同様だが、特徴的なのは福岡県の存在感だ。韓国人宿泊者数で福岡県は約289万人泊と全国3位に入り、東京(約417万人泊)、大阪(約386万人泊)に次ぐ規模を持つ。

韓国から福岡へはLCCで約1.5時間というアクセスの良さが、この集中を支えている。大分県(温泉)、長崎県(対馬の近接性)も韓国人の人気が比較的高い。

韓国人宿泊者の地域分布 47都道府県の外国人延べ宿泊者数(韓国)ランキングをもっと見る

台湾人は北海道が圧倒的──「雪」と「食」が引力に

台湾人宿泊者の分布を見ると、東京(約391万人泊)と大阪(約244万人泊)に次いで北海道(約201万人泊)が3位に入る。沖縄県(約129万人泊)も上位で、台湾人は「雪の北海道」と「ビーチの沖縄」という両極を好む傾向がある。

台湾は亜熱帯気候のため雪に対する憧れが強く、冬の北海道ニセコや旭川が人気を集めている。京都(約135万人泊)も台湾人には根強い人気がある。

TIP

国籍別の外国人延べ宿泊者数ランキングは国籍ごとに個別の詳細データが公開されています。外国人宿泊者数(韓国)ランキングなど国籍別ランキングを参照すると、各県の順位と絶対値を比較できます。

台湾人宿泊者の地域分布

国籍ミックスで見る各県の「インバウンド体質」

外国人宿泊者数の上位15県について、韓国・中国・台湾・米国の国籍別構成を見ると、県ごとにまったく異なるミックスが浮かび上がる。

  • 東京都:中国人(約845万人泊)と米国人(約717万人泊)が突出。多国籍がバランスよく集まる
  • 大阪府:韓国人(約386万人泊)の比率が東京より高い。LCC路線の影響
  • 京都府:米国人(約204万人泊)の比率が他県より高い。歴史・文化志向
  • 福岡県:韓国人(約289万人泊)が全体の約42%を占め、韓国依存度が際立つ
  • 北海道:台湾人(約201万人泊)と韓国人(約214万人泊)がバランスよく集まる
国籍別 外国人宿泊者構成(上位15県)

「住む外国人」と「訪れる外国人」は別の県が好き

在留中国人数と中国人宿泊者数の関係を散布図で見ると、東京都は両方で突出して高いが、それ以外の県では必ずしも相関が強くない。例えば、在留中国人が多い埼玉・千葉は宿泊者数では上位に入らず、逆に京都は在留中国人は少ないが宿泊者数は多い。

これは「住む」場所は雇用や生活コストで選ばれ、「訪れる」場所は観光資源で選ばれるという、異なる要因が働いていることを意味する。

在留中国人数 vs 中国人宿泊者数

NOTE

在留外国人データは2020年国勢調査、宿泊者データは2024年の統計。4年の差があるため傾向の参考として読むこと。

米国人は東京・京都のゴールデンルートに集中

米国人宿泊者のランキングを見ると、東京都(約717万人泊)が圧倒的で、2位の京都府(約204万人泊)との間にも大きな差がある。3位の大阪府(約143万人泊)まで含めた「ゴールデンルート」3都府で米国人宿泊者全体の大部分を占めており、地方分散が最も進んでいない国籍と言える。

米国人宿泊者数 上位10・下位10

まとめ

国籍別の宿泊データから読み取れる主なポイントを整理する。

この記事でわかったこと

「インバウンド対策」を考えるとき、「どの国からの観光客を狙うか」で打つべき施策は大きく変わる。韓国人をターゲットにするなら九州のアクセス強化、台湾人なら北海道・沖縄の自然体験、米国人なら歴史文化コンテンツの充実といったように、国籍別のデータを読み解くことが効果的な地方インバウンド戦略の第一歩になる。

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データ出典:

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本記事のデータはe-Stat(政府統計の総合窓口)を基に作成しています。

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