本文へスキップ
stats47 データジャーナル統計で読む地域ニュースPRを含む場合があります

スマホ保有数が最多なのは東京でなく滋賀1281台|なぜ近畿の県が首都圏を上回る? (2014)

「スマホをいちばん持っているのは東京だろう」──そう思って 47 都道府県のデータを開くと、1 位は東京ではありませんでした。2014 年度、二人以上の世帯 1000 世帯あたりのスマートフォン所有台数で首位に立ったのは 滋賀県の 1281 台 です。東京都は 1275 台でわずか 6 台届かず 2 位でした。

ここでいう「1000 世帯あたりの台数」とは保有率(%)ではなく、1000 世帯が合計で何台のスマホを持っているか を表します。滋賀の 1281 台は、1 世帯あたり平均 1.28 台のスマホがある計算です。一方で最下位の 島根県は 826 台(1 世帯あたり 0.83 台)でした。最大と最小の開きは 約 1.6 倍(1281 ÷ 826 ≒ 1.55)にとどまります。

この記事で見えてくるのは、「デジタル格差は大都市 vs 地方という単純な構図ではない」という点です。上位には東京・大阪・神奈川といった大都市圏が並ぶ一方で、それを上回ったのは滋賀・奈良・京都という近畿の周辺県でした。なぜこの並びになるのかを、データに即して読み解いていきます。

NOTE

本指標は保有率(%)ではなく 1000 世帯あたりの所有台数(台) です。1000 を超える値は「1 世帯あたり平均 1 台超」を意味します。世帯普及率(持っている世帯の割合)とは別物で、複数台を持つ世帯が多いほど数字が押し上げられる点に注意して読んでください。

スマホ保有数の上位と下位

まず全体像を、上位 5 県と下位 5 県のカードで押さえます。

スマートフォン所有数量 上位5・下位5(二人以上の世帯1000世帯あたり台数、2014年度)

上位は 滋賀(1281台)・東京(1275台)・奈良(1230台)・愛知(1216台)・京都(1208台) と並びます。注目すべきは、首位の滋賀と 3 位の奈良、5 位の京都という近畿の県が東京を取り囲むように上位を固めている点です。続く 6〜10 位も埼玉・神奈川・大阪・茨城・福井で、首都圏・近畿・中京の三大都市圏とその近郊が上位の中核を成しています。10 位に北陸の福井が入っている点も、「上位=大都市」という先入観を裏切ります。

下位は 高知(873台)・北海道(865台)・山口(849台)・青森(848台)・島根(826台) です。最下位の島根県をはじめ、青森・高知など人口減少・高齢化が進む地域が下位に集まりました。首位の滋賀県とは対照的な顔ぶれです。札幌という大都市を抱える北海道が 44 位に沈んでいるのは、広大な面積と高齢世帯の多い郡部を含む道全体の平均が引き下げられたためと考えられます。

スマートフォン所有数量ランキングをもっと見る

TIP

「1000 世帯あたり台数」が 1000 を超える県は、1 世帯で複数台を所有する世帯が多いことを示します。上位陣がほぼ 1200〜1281 台に集中する一方、下位は 826〜873 台です。世帯あたり 1 台前後で頭打ちになっている地域との差が、そのまま順位差になっています。

なぜ近畿の周辺県が首都圏を上回るのか

このランキングで最も意外なのは、上位の主役が東京ではなく 近畿の周辺県(滋賀・奈良・京都) だった点です。首位の滋賀と東京の差はわずか 6 台ですが、3 位の奈良(1230台)まで含めると、近畿勢が東京を明確に押し上げています。なぜこの並びになるのか、データから読める構造を整理します。

ひとつの見方は、上位に「大都市の通勤圏」が多いことです。滋賀と奈良はそれぞれ京阪神・大阪のベッドタウンであり、働く世代の子育て世帯が多い地域です。本指標は世帯あたりの合計台数なので、世帯人数が多いほど 1 世帯の合計台数が増えやすい構造になっています。同じ理屈は首都圏の埼玉(6位)・神奈川(7位)・茨城(9位)にも当てはまり、通勤圏として上位に並びます。

NOTE

[仮説] 滋賀・奈良が東京・大阪を上回る要因として「世帯人数の多さ(複数台所有)」が効いている可能性があります。本指標は世帯あたり台数のため、家族人数が多いほど 1 世帯の合計台数が増えやすい構造です。ただし世帯人数別の検証データが別途必要で、本記事のデータだけでは断定できません。

下位はなぜ低いのか

下位グループは島根(47位)・青森(46位)・山口(45位)・北海道(44位)・高知(43位)です。島根・青森・高知はいずれも高齢化率が高く人口減少が続く県で、二人以上世帯のうち高齢夫婦世帯の比率が高い地域です。高齢の夫婦世帯ではスマホよりフィーチャーフォン(ガラケー)の所有が残りやすく、世帯あたりの台数が伸びにくくなります。

ただし、ここで強調したいのは差の「小ささ」です。所得や物価の地域差が数倍に開く指標が多いなか、スマホ所有台数は 1 位 1281 台と最下位 826 台で 約 1.6 倍 に収まっています。デジタル機器は全国に広く行き渡っており、「持つ/持たない」という断絶ではなく「1 世帯に何台あるか」という程度の差になっていることがわかります。

WARNING

下位の値が低い背景には、対象が「二人以上の世帯」である点が関わります。単身世帯は集計に含まれません。また 2014 年度はスマホ普及の途上期であり、地域差が大きく出た一因でもあります。最新年の数値ではないため、現在の保有状況とは異なる可能性があることに注意してください。

まとめ

  • 1 位は 滋賀県 1281 台(二人以上の世帯 1000 世帯あたり、2014 年度)。東京都は 1275 台で 2 位でした。
  • 最下位は 島根県 826 台。1 位との開きは 約 1.6 倍(1281 ÷ 826 ≒ 1.55)に収まります。
  • 上位 10 のうち近畿が 4 県(滋賀・奈良・京都・大阪)を占め、大都市というより 通勤圏・近畿周辺県 が強い分布でした。
  • 下位は 島根・青森・高知 など人口減少・高齢化地域に集中し、北海道も 44 位と低い結果でした。
  • 本指標は保有率(%)ではなく 1000 世帯あたり所有台数(台) で、1000 超は 1 世帯平均 1 台超を意味します。

数字の背景にある経済力をあわせて見たい方は、経済カテゴリのランキング一覧から所得や物価の地域差も確認できます。

データ出典

  • 総務省統計局「社会・人口統計体系」(statsDataId: 0000010212、e-Stat 経由で整備)
  • 対象: 二人以上の世帯 / 単位: 1000 世帯あたり所有台数(台)/ 集計年度: 2014 年度