2023年度の消費者物価指数対前年変化率(総合)では、岩手県が4.1%で全国1位、鹿児島県が2.6%で最下位となりました。この指標は前年同期と比較した消費者物価の変動率を示す重要な経済指標です。地域間で大きな格差が見られ、東日本大震災からの復興需要やエネルギー価格の上昇が影響しています。上位県では復興需要や観光業の回復が、下位県では農業基盤の強さや地産地消の取り組みが要因となっています。
概要
消費者物価指数対前年変化率(総合)は、前年同期と比較した消費者物価の変動率を示す重要な経済指標です。この指標は、家計が購入する商品やサービスの価格変動を総合的に測定し、地域のインフレ率を把握するために用いられます。
各都道府県の物価変動を比較することで、地域経済の動向や成長性を客観的に評価できます。物価上昇率の違いは、同じ所得でも地域により実質的な家計負担が異なることを示します。
2023年度の全国的な動向では、岩手県が4.1%で全国1位、鹿児島県が2.6%で最下位となり、地域間で1.5ポイントの格差が見られました。この格差は地域経済の構造的な違いや、産業基盤の特性を反映しています。
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上位5県の詳細分析
岩手県(1位)
岩手県は4.1%(偏差値76.3)で全国1位となりました。東日本大震災からの復興需要や、エネルギー価格の上昇が物価を押し上げた要因と考えられます。
復興事業の継続による建設資材価格の上昇や、人口減少による需給バランスの変化も影響しています。東北地方の中核都市としての役割が物価動向に影響を与えています。
宮城県(2位)
宮城県は4.0%(偏差値73.1)で2位にランクインしました。仙台市を中心とした都市部での需要増加や、復興事業の継続による建設資材価格の上昇が物価を押し上げています。
東北地方の中核都市としての役割が物価動向に影響を与えており、復興需要の継続と新規産業の創出が要因となっています。
沖縄県(3位)
沖縄県は3.8%(偏差値66.8)で3位となりました。離島県という地理的特性により、輸送コストの増加が物価に直接的に影響しています。
観光業の回復による需要増加も物価上昇の要因となっています。温暖な気候と生活環境の魅力が観光客を引き寄せています。
北海道(4位)
北海道は3.7%(偏差値63.6)で4位タイとなりました。広大な面積と低い人口密度により、物流コストが高く、エネルギー価格の上昇が特に大きな影響を与えています。
農業・畜産業の中心地としての価格変動も影響しています。冬季の暖房費増加や、物流コストの上昇が物価を押し上げています。
富山県(4位)
富山県は3.7%(偏差値63.6)で4位タイとなりました。製造業の集積地として、原材料価格の上昇が物価に反映されています。
北陸新幹線の開通効果による経済活性化も物価上昇の一因となっています。製造業の集積による雇用の安定が背景となっています。
下位5県の詳細分析
大分県(40位)
大分県は2.9%(偏差値38.2)で40位となりました。温泉観光業が中心の産業構造で、全国的な物価上昇の影響を受けにくい地域特性があります。
地産地消の取り組みが物価の安定に寄与している可能性があります。地域内での自給率が高く、外部からの物価上昇圧力を受けにくい構造となっています。
新潟県(44位)
新潟県は2.8%(偏差値35.0)で44位タイとなりました。米どころとしての農業基盤が強く、食料品の価格安定が全体の物価上昇率を抑制しています。
日本海側の物流ネットワークの効率化も影響していると考えられます。農業の集積による価格競争力の向上が要因です。
滋賀県(44位)
滋賀県は2.8%(偏差値35.0)で44位タイとなりました。関西圏に近接しながらも、京都や大阪のベッドタウンとしての性格が強く、物価上昇の影響が相対的に小さくなっています。
製造業の集積も価格競争力の向上に寄与しています。都市部への一極集中が地域内消費に影響を与えており、地域経済の自立性が課題です。
和歌山県(46位)
和歌山県は2.6%(偏差値28.6)で46位タイとなりました。農業・林業・水産業が基幹産業で、地域内での自給率が高く、外部からの物価上昇圧力を受けにくい構造となっています。
地域内での自給率が高く、外部からの物価上昇圧力を受けにくい構造となっています。観光業の振興や産業の多様化が課題です。
鹿児島県(46位)
鹿児島県は2.6%(偏差値28.6)で46位タイとなりました。農業・畜産業の生産基盤が強固で、食料品の価格安定が全体の物価上昇率を抑制しています。
離島部での独特な経済構造も影響していると考えられます。地域内での自給率が高く、外部からの物価上昇圧力を受けにくい構造となっています。
地域別の特徴分析
北海道・東北地方
北海道(3.7%)、岩手県(4.1%)、宮城県(4.0%)が上位にランクインしており、東日本大震災からの復興需要や、エネルギー価格の上昇が共通の要因となっています。
寒冷地での暖房費増加や、物流コストの上昇が物価を押し上げています。復興需要継続地域での住宅需要の高まりや、中核都市への人口集中による地域内格差が特徴です。
関東地方
関東地方は全体的に中位から上位に位置し、首都圏の経済活動の活発化が物価上昇に影響しています。特に、不動産価格の上昇や人材獲得競争の激化が物価全体を押し上げています。
既存住宅市場の成熟化や、交通インフラの整備による通勤圏の拡大が特徴です。住宅供給の充実による需給バランスの安定や、首都圏への人口集中による周辺地域の相対的な低迷も見られます。
中部地方
富山県(3.7%)が上位にランクインする一方、新潟県(2.8%)が下位となり、地域内でのばらつきが見られます。製造業の集積地では原材料価格の上昇が、農業地域では地産地消が物価に異なる影響を与えています。
製造業の集積による雇用の安定や、自然環境の魅力による移住促進が特徴です。地方都市の住宅市場の成熟化も見られます。
近畿地方
滋賀県(2.8%)、和歌山県(2.6%)が下位にランクインし、関西圏全体では物価上昇が比較的抑制されています。地域内での競争激化や効率的な物流網が価格安定に寄与しています。
都市部の住宅供給充実や、既存住宅市場の安定化が特徴です。製造業とサービス業のバランスや、歴史的な住宅ストックの活用も見られます。
中国・四国地方
この地域では物価上昇率が全国平均を下回る傾向が見られ、人口減少による需要減少や、地域内での価格競争が影響しています。
人口減少による住宅需要の低迷や、地方都市の住宅市場の縮小が特徴です。高齢化の進行による住宅需要の変化や、産業構造の変化による雇用機会の減少も見られます。
九州・沖縄地方
沖縄県(3.8%)が上位にランクインする一方、鹿児島県(2.6%)が最下位となり、地域内格差が顕著です。観光業の回復度合いや、農業・畜産業の基盤の違いが物価動向に影響しています。
移住促進政策の効果による人口流入や、温暖な気候と生活環境の魅力が特徴です。既存住宅市場の成熟化や、観光業の回復による地域経済の活性化も見られます。
社会的・経済的影響
最上位の岩手県(4.1%)と最下位の鹿児島県(2.6%)の間には1.5ポイントの格差があります。この格差は、地域経済の構造的な違いや、産業基盤の特性を反映しています。
構造的要因:
- 地域の産業構造の違い
- 人口動態による需要構造の変化
- エネルギー価格の地域差
- 復興需要の継続度合い
経済的影響:
- 家計の実質所得への影響
- 地域経済の活性度の違い
- 企業のコスト構造への影響
- 地域間人口移動への影響
社会的影響:
- 地域間の生活水準格差
- 地域経済の活性度の違い
- 地域コミュニティの変化
- 地域ブランド力の格差
対策と今後の展望
消費者物価指数の地域格差を縮小するためには、以下の取り組みが重要です。
地域特性に応じた対策:
- エネルギー効率の改善によるコスト削減
- 地産地消の推進による輸送コスト削減
- 価格競争力強化のための産業構造転換
下位地域への対策:
- 観光業や新産業の育成による経済活性化
- 都市部との連携強化による需要拡大
- 若年層の定住促進による消費需要の維持
成功事例の活用:
- 地域商業施設の連携による価格安定化
- 農業・製造業の6次産業化による付加価値向上
- 効率的な物流網の整備によるコスト削減
統計データの基本情報と分析
指標 | 値% |
---|---|
平均値 | 3.3 |
中央値 | 3.3 |
最大値 | 4.1(岩手県) |
最小値 | 2.6(和歌山県) |
標準偏差 | 0.3 |
データ数 | 47件 |
2023年度の消費者物価指数対前年変化率(総合)の統計分析では、平均値は3.2%、中央値は3.1%となっています。平均値と中央値が近い値であることから、分布は比較的対称的であることが分かります。
分布の歪みについては、上位県の存在により右に歪んだ分布となっています。外れ値として岩手県の4.1%が特に突出しており、他の地域との格差が顕著です。
四分位範囲は2.9%から3.5%の範囲にあり、データの50%がこの範囲に収まっています。標準偏差は0.31%程度であり、地域間のばらつきは中程度であることが分かります。
まとめ
2023年度の消費者物価指数対前年変化率(総合)では、岩手県が4.1%で全国1位、鹿児島県が2.6%で最下位となり、地域間で大きな格差が見られました。上位県では復興需要や観光業の回復が、下位県では農業基盤の強さや地産地消の取り組みが要因となっています。
この地域格差は地域経済の構造的な違いを反映し、住民の生活の質に直接的な影響を与えています。今後の地域振興策や経済対策において、この格差を考慮した効果的な対策が求められます。
順位↓ | 都道府県 | 値 (%) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 岩手県 | 4.1 | 76.3 | +78.3% |
2 | 宮城県 | 4.0 | 73.1 | +25.0% |
3 | 沖縄県 | 3.8 | 66.8 | +35.7% |
4 | 北海道 | 3.7 | 63.6 | +19.4% |
5 | 富山県 | 3.7 | 63.6 | +37.0% |
6 | 長野県 | 3.6 | 60.4 | +12.5% |
7 | 鳥取県 | 3.6 | 60.4 | +38.5% |
8 | 秋田県 | 3.5 | 57.2 | -2.8% |
9 | 群馬県 | 3.5 | 57.2 | +59.1% |
10 | 千葉県 | 3.5 | 57.2 | +52.2% |
11 | 高知県 | 3.5 | 57.2 | +84.2% |
12 | 青森県 | 3.4 | 54.1 | +3.0% |
13 | 山形県 | 3.4 | 54.1 | +36.0% |
14 | 茨城県 | 3.4 | 54.1 | +41.7% |
15 | 石川県 | 3.4 | 54.1 | +61.9% |
16 | 山梨県 | 3.4 | 54.1 | +47.8% |
17 | 大阪府 | 3.4 | 54.1 | +36.0% |
18 | 奈良県 | 3.4 | 54.1 | +30.8% |
19 | 佐賀県 | 3.4 | 54.1 | +54.5% |
20 | 福島県 | 3.3 | 50.9 | +22.2% |
21 | 兵庫県 | 3.3 | 50.9 | +65.0% |
22 | 広島県 | 3.3 | 50.9 | +22.2% |
23 | 愛媛県 | 3.3 | 50.9 | +57.1% |
24 | 福岡県 | 3.3 | 50.9 | +57.1% |
25 | 熊本県 | 3.3 | 50.9 | +50.0% |
26 | 宮崎県 | 3.3 | 50.9 | +37.5% |
27 | 東京都 | 3.2 | 47.7 | +28.0% |
28 | 愛知県 | 3.2 | 47.7 | +18.5% |
29 | 島根県 | 3.2 | 47.7 | +45.5% |
30 | 山口県 | 3.2 | 47.7 | +18.5% |
31 | 栃木県 | 3.1 | 44.5 | +29.2% |
32 | 神奈川県 | 3.1 | 44.5 | +34.8% |
33 | 福井県 | 3.1 | 44.5 | +47.6% |
34 | 岐阜県 | 3.1 | 44.5 | +29.2% |
35 | 静岡県 | 3.1 | 44.5 | +19.2% |
36 | 京都府 | 3.1 | 44.5 | +24.0% |
37 | 岡山県 | 3.1 | 44.5 | +47.6% |
38 | 長崎県 | 3.1 | 44.5 | +24.0% |
39 | 埼玉県 | 3.0 | 41.3 | +25.0% |
40 | 三重県 | 2.9 | 38.2 | +16.0% |
41 | 徳島県 | 2.9 | 38.2 | +45.0% |
42 | 香川県 | 2.9 | 38.2 | +38.1% |
43 | 大分県 | 2.9 | 38.2 | +70.6% |
44 | 新潟県 | 2.8 | 35.0 | -3.5% |
45 | 滋賀県 | 2.8 | 35.0 | +40.0% |
46 | 和歌山県 | 2.6 | 28.6 | +52.9% |
47 | 鹿児島県 | 2.6 | 28.6 | +44.4% |