2023年度の消費者物価地域差指数(被服及び履物)ランキングでは、石川県が113.1で全国1位、鹿児島県が88.9で最下位となっています。地域間で24.2ポイントの格差が存在し、地理的条件や商業環境の違いによる価格水準の差が明確に現れています。上位県では物流コストや地価の高さが価格を押し上げ、下位県では競争環境や効率的な商業展開が価格抑制に寄与しています。
概要
消費者物価地域差指数(被服及び履物)は、全国平均を100とした場合の各都道府県の被服・履物価格水準を示す重要な経済指標です。この指数は、同一商品でも地域によって価格が異なる現象を数値化し、地域間の物価格差を明確に表現しています。
なぜこの指標が重要なのか?
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生活水準の地域格差の把握:被服・履物の価格水準は、地域の生活コストを直接的に反映します。この指数により、同じ収入でも地域によって購買力に差が生じる実態を客観的に把握できます。
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地域経済の競争力分析:価格水準の違いは、地域の経済構造、流通システム、競争環境の違いを反映しています。高い地域では流通コストや賃料が高く、低い地域では競争が激しい可能性があります。
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政策立案の基礎データ:地域振興策、消費者保護政策、流通政策の策定において、この指数は重要な基礎データとして活用されています。
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企業の立地戦略への影響:小売業の出店戦略や価格設定において、地域別の物価水準は重要な判断材料となります。
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移住・転職の意思決定支援:個人の移住や転職を検討する際、生活コストの比較材料として活用されています。
2023年度のデータでは、石川県が113.1(偏差値84.2)で最高値を記録し、鹿児島県が88.9(偏差値22.2)で最低値となり、約24.2ポイントの格差が存在しています。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
1位:石川県(113.1、偏差値84.2)
石川県が全国1位となった背景には、複数の構造的要因があります。金沢市を中心とした都市部での高い地価や賃料水準が、小売店舗の運営コストを押し上げています。また、北陸新幹線開業による観光需要の増加や、伝統工芸品への需要が高まりにより、高付加価値商品の取扱いが増加している可能性があります。さらに、地理的に本州の中央部から離れた位置にあるため、流通コストの影響も受けやすい構造となっています。
2位:北海道(104.7、偏差値62.7)
北海道が2位となった要因は、広大な面積による物流コストの高さが主因です。本州からの商品輸送には海上輸送が必要で、特に冬季の厳しい気象条件により輸送コストが上昇します。また、人口密度の低さにより配送効率が悪く、これらのコストが最終的に商品価格に転嫁されています。札幌市などの都市部では競争が激しい一方、地方部では選択肢が限られることも価格水準を押し上げる要因となっています。
2位:高知県(104.7、偏差値62.7)
高知県が北海道と同値で2位となった背景には、四国という地理的条件が大きく影響しています。本州からの商品輸送において、瀬戸内海を渡る必要があり、輸送コストが高くなる傾向があります。また、人口規模が比較的小さく、大規模な商業施設の展開が限定的であることから、スケールメリットが働きにくい構造となっています。県庁所在地である高知市への商業集中も、地域内での価格競争を制限する要因となっています。
4位:栃木県(104.1、偏差値61.1)
栃木県が4位となった要因は、首都圏に近い立地でありながら、東京都心部ほどの競争環境が整っていないことが挙げられます。宇都宮市を中心とした商業圏では、一定の需要があるものの、大型商業施設間の競争が限定的であることが価格水準を押し上げています。また、観光地としての那須エリアでは、観光需要により価格が高めに設定される傾向があります。
5位:新潟県(104.0、偏差値60.9)
新潟県が5位となった背景には、日本海側という地理的条件による物流コストの影響があります。太平洋側の主要都市圏からの商品輸送において、山間部を通る必要があり、特に冬季の豪雪により輸送コストが上昇します。また、新潟市を中心とした商業圏では、人口規模に対して商業施設の競争が限定的であることも価格水準を押し上げる要因となっています。
下位5県の詳細分析
47位:鹿児島県(88.9、偏差値22.2)
鹿児島県が最下位となった要因は、九州最南端という地理的条件と地域経済の特殊性にあります。農業を基幹産業とする地域特性により、都市部ほどの高い地価や賃料水準ではないことが、店舗運営コストを抑制しています。また、所得水準が全国平均を下回る傾向があり、価格感応度の高い消費者層が多いことから、小売業者も価格競争力を重視した戦略を取っています。さらに、離島部を多く抱える地理的条件により、効率的な物流網の構築が困難な面もあります。
46位:香川県(90.1、偏差値25.3)
香川県が46位となった背景には、四国4県の中でも最も面積が小さく、人口密度が比較的高いことによる効率的な商業展開があります。高松市を中心とした商業圏では、限られた商圏内での競争が激しく、価格競争が活発化しています。また、本州との交通アクセスが比較的良好であることから、消費者の選択肢が多く、価格感応度が高い消費行動が見られます。
45位:福岡県(95.0、偏差値37.8)
福岡県が45位となった要因は、九州の商業中心地としての競争環境の激しさにあります。福岡市・北九州市という2つの政令指定都市を擁し、大型商業施設やチェーン店の競争が激しいことが価格水準を押し下げています。また、アジア諸国との近接性により、輸入商品の流通コストが比較的低く抑えられることも影響しています。さらに、若年層の人口比率が高く、価格志向の強い消費者層が多いことも要因の一つです。
44位:大分県(95.3、偏差値38.6)
大分県が44位となった背景には、温泉観光地としての特性と地域経済の構造があります。大分市を中心とした商業圏では、観光需要がある一方で、地域住民向けの日常的な商品については価格競争が働いています。また、製造業の集積があることから、安定した雇用環境により価格感応度の高い消費者層が形成されています。
43位:島根県(95.4、偏差値38.9)
島根県が43位となった要因は、中国地方の日本海側という地理的条件と人口規模の影響があります。松江市・出雲市を中心とした商業圏では、限られた市場規模の中で効率的な商業展開が行われています。また、農業・漁業を基幹とする地域特性により、都市部ほどの高い物価水準ではないことが影響しています。
地域別の特徴分析
社会的・経済的影響
最上位の石川県(113.1)と最下位の鹿児島県(88.9)の間には24.2ポイントの格差が存在し、地域間の経済格差を明確に示しています。この格差は以下の要因によって生じています:
- 地理的条件の影響:本州からの距離や交通アクセスの違いによる物流コストの差
- 商業環境の違い:競争環境や商業施設の密度による価格形成の違い
- 地域経済の特性:産業構造や所得水準による消費行動の違い
- 人口密度と効率性:都市部と地方部の商業展開効率の違い
対策と今後の展望
地域間格差の解消に向けて、以下の取り組みが重要となります:
- 物流インフラの整備:地域間の物流コスト格差を縮小するためのインフラ整備
- ECサイトの活用促進:オンラインショッピングによる地域格差の解消
- 地域特性を活かした商業戦略:各地域の特性に応じた効率的な商業展開
- 消費者教育の推進:価格比較や賢い買い物の促進
統計データの基本情報と分析
指標 | 値‐ |
---|---|
平均値 | 99.8 |
中央値 | 99.6 |
最大値 | 113.1(石川県) |
最小値 | 88.9(鹿児島県) |
標準偏差 | 3.9 |
データ数 | 47件 |
消費者物価地域差指数(被服及び履物)の統計分析では、平均値と中央値の比較により分布の特徴を把握できます。上位県と下位県の格差は、地域の地理的条件や商業環境の違いを反映しています。外れ値の存在は、特定地域の経済的・地理的要因の影響を示しています。四分位範囲による分布の特徴分析により、地域間格差の実態をより正確に把握できます。標準偏差によるばらつきの程度は、各地域の経済状況や生活水準の違いを数値的に示しています。
まとめ
順位↓ | 都道府県 | 値 (‐) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 石川県 | 113.1 | 84.2 | +4.1% |
2 | 北海道 | 104.7 | 62.7 | -2.1% |
3 | 高知県 | 104.7 | 62.7 | +2.1% |
4 | 栃木県 | 104.1 | 61.1 | -3.0% |
5 | 新潟県 | 104.0 | 60.9 | +1.1% |
6 | 青森県 | 103.6 | 59.8 | +0.2% |
7 | 埼玉県 | 103.5 | 59.6 | -0.9% |
8 | 鳥取県 | 102.9 | 58.1 | -0.3% |
9 | 長崎県 | 102.9 | 58.1 | -3.6% |
10 | 佐賀県 | 102.7 | 57.5 | +1.0% |
11 | 福島県 | 102.3 | 56.5 | +0.5% |
12 | 東京都 | 102.2 | 56.3 | +0.6% |
13 | 山口県 | 102.1 | 56.0 | +3.1% |
14 | 富山県 | 101.9 | 55.5 | +1.9% |
15 | 宮城県 | 101.7 | 55.0 | +2.4% |
16 | 岡山県 | 101.3 | 54.0 | +1.6% |
17 | 神奈川県 | 101.2 | 53.7 | - |
18 | 秋田県 | 101.1 | 53.4 | +0.2% |
19 | 奈良県 | 101.1 | 53.4 | +3.8% |
20 | 滋賀県 | 100.9 | 52.9 | +3.0% |
21 | 徳島県 | 100.7 | 52.4 | -1.7% |
22 | 兵庫県 | 100.5 | 51.9 | -1.2% |
23 | 群馬県 | 100.2 | 51.1 | +4.5% |
24 | 三重県 | 99.6 | 49.6 | +1.0% |
25 | 岐阜県 | 99.5 | 49.3 | +0.2% |
26 | 岩手県 | 99.2 | 48.6 | +1.1% |
27 | 長野県 | 98.9 | 47.8 | -0.8% |
28 | 大阪府 | 98.9 | 47.8 | +0.7% |
29 | 和歌山県 | 98.7 | 47.3 | +0.5% |
30 | 沖縄県 | 98.5 | 46.8 | +0.7% |
31 | 熊本県 | 98.2 | 46.0 | -2.0% |
32 | 愛知県 | 98.1 | 45.8 | +0.3% |
33 | 広島県 | 98.1 | 45.8 | +2.3% |
34 | 静岡県 | 97.8 | 45.0 | -1.2% |
35 | 京都府 | 97.8 | 45.0 | +1.0% |
36 | 愛媛県 | 97.4 | 44.0 | -3.5% |
37 | 千葉県 | 97.3 | 43.7 | -0.4% |
38 | 福井県 | 97.2 | 43.5 | -3.0% |
39 | 茨城県 | 96.5 | 41.7 | -0.4% |
40 | 宮崎県 | 96.5 | 41.7 | +0.6% |
41 | 山形県 | 96.3 | 41.2 | +2.9% |
42 | 山梨県 | 95.9 | 40.1 | -2.4% |
43 | 島根県 | 95.4 | 38.9 | -0.4% |
44 | 大分県 | 95.3 | 38.6 | -0.6% |
45 | 福岡県 | 95.0 | 37.8 | -1.4% |
46 | 香川県 | 90.1 | 25.3 | -6.0% |
47 | 鹿児島県 | 88.9 | 22.2 | -3.5% |