都道府県別刑法犯検挙人員ランキング(2022年度)
概要
2022年度の都道府県別刑法犯検挙人員について、全47都道府県のデータを分析しました。刑法犯検挙人員とは、警察が刑法犯として検挙した人数を示す重要な治安指標です。人口規模の大きな都市部では検挙人員も多くなる傾向が見られます。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
1位:東京都
東京都が20,911人(偏差値92.3)で全国1位となっています。首都圏の巨大な人口規模と都市機能の集中により、刑法犯検挙人員が突出して多くなっています。全国平均を大幅に上回る数値となっており、他県との差が顕著です。
2位:大阪府
大阪府が13,869人(偏差値75.1)で2位です。関西圏の中心都市として人口密度が高く、商業活動も活発なため検挙人員が多くなっています。東京都に次ぐ規模の大都市圏を反映した結果となっています。
3位:愛知県
愛知県が11,396人(偏差値69.0)で3位にランクインしています。中部地方の中心県として製造業が集積し、人口も多いことが影響しています。名古屋市を中心とした都市圏の規模が数値に表れています。
4位:兵庫県
兵庫県が10,159人(偏差値66.0)で4位です。神戸市や姫路市などの都市部を抱え、関西圏の一翼を担う県として相応の検挙人員となっています。
5位:神奈川県
神奈川県が10,134人(偏差値66.0)で5位となっています。首都圏の一角を占め、横浜市、川崎市などの大都市を有することが数値に反映されています。
下位5県の詳細分析
47位:徳島県
徳島県が636人(偏差値42.7)で全国最少となっています。四国地方の中でも人口規模が小さく、都市化の程度も限定的であることが影響しています。
46位:島根県
島根県が648人(偏差値42.8)で46位です。中国地方の日本海側に位置し、人口減少と高齢化が進んでいる地域特性が数値に表れています。
45位:山梨県
山梨県が839人(偏差値43.2)で45位となっています。首都圏に隣接しながらも、山間部が多く人口密度が低いことが特徴的です。
44位:秋田県
秋田県が861人(偏差値43.3)で44位です。東北地方において人口減少が顕著な県の一つで、それが検挙人員の少なさにも反映されています。
43位:高知県
高知県が946人(偏差値43.5)で43位となっています。四国地方の太平洋側に位置し、県域の多くが山間部であることが影響しています。
地域別の特徴分析
関東地方
関東地方では東京都が圧倒的な数値を示し、神奈川県、埼玉県、千葉県も上位にランクインしています。首都圏の人口集中と都市機能の集積が明確に数値に表れており、全国平均を大幅に上回る地域が多くなっています。
関西地方
大阪府が全国2位の高い数値を示し、兵庫県も4位に位置しています。京都府も上位圏内にあり、関西圏全体として都市部の特徴が顕著に現れています。
中部地方
愛知県が3位と高順位にある一方、山間部の多い県では相対的に数値が低くなっています。静岡県も10位に入るなど、太平洋側の都市化が進んだ地域で高い傾向があります。
九州地方
福岡県が7位と上位にランクインしており、九州地方の中心県としての位置づけが数値に反映されています。その他の県は全国平均を下回る傾向が見られます。
四国・中国地方
全般的に全国平均を下回る県が多く、特に四国地方では全県が下位圏に位置しています。人口規模と都市化の程度が影響していると考えられます。
格差と課題の考察
全国1位の東京都(20,911人)と最下位の徳島県(636人)の間には約33倍の格差があり、人口規模の違いが大きく影響しています。偏差値でみると、東京都の92.3に対して最下位の徳島県は42.7となっており、統計的にも大きな格差が存在します。
都市部と地方部の格差は、単純な人口比だけでは説明できない要因も含んでいる可能性があります。都市部特有の匿名性、人口流動性、経済活動の活発さなどが影響している可能性があります。
また、検挙人員の多寡は治安の良し悪しを直接的に示すものではなく、警察の検挙活動の結果として理解する必要があります。地域の特性や警察活動の方針なども数値に影響を与える要因として考慮すべきでしょう。
統計データの基本情報と分析
2022年度の刑法犯検挙人員データを統計的に分析すると、全国平均は約3,835人となっています。標準偏差が大きく、都市部と地方部の格差が顕著に現れています。
分布の特徴として、東京都が突出して高い数値を示しており、これが全体の平均値を押し上げています。中央値と平均値の差からも、上位数県の影響が大きいことが読み取れます。
上位10県と下位10県の格差は非常に大きく、これは主として人口規模の違いによるものと考えられます。しかし、人口当たりの検挙率で見た場合の地域差についても、今後の分析課題として重要です。
外れ値として東京都が特異な位置にありますが、これは首都機能と巨大な人口規模を考慮すれば妥当な範囲内と考えられます。
まとめ
2022年度の都道府県別刑法犯検挙人員ランキングでは、人口規模と都市化の程度が大きく影響する結果となりました。東京都、大阪府、愛知県といった大都市圏を擁する都道府県が上位を占める一方、四国や中国地方の県が下位圏に集中しています。
この指標は治安状況を理解する上で重要な参考データの一つですが、人口規模や地域特性を考慮した分析が必要です。また、検挙人員の多寡が直接的に治安の良し悪しを示すものではないことも理解しておく必要があります。
各地域の実情に応じた治安対策と、効果的な犯罪抑制策の検討が今後の課題として重要になってくるでしょう。