2022年度の都道府県別火災出火件数(人口10万人当たり)を比較したランキングです。このデータは、各都道府県の人口規模を考慮した火災の発生頻度を示しており、地域の防火対策や安全管理の状況を把握する重要な指標となります。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
1位:大分県
大分県が50.4件(偏差値72.4)で全国1位となりました。全国平均を大きく上回る火災発生率を示しており、特に注意が必要な状況です。地域特性や建物構造、気候条件などが影響している可能性があります。
2位:高知県
高知県が46.4件(偏差値67.3)で2位です。四国地方の中でも特に高い数値を示しており、県全体での防火意識の向上と対策強化が求められます。
3位:山口県
山口県が45.9件(偏差値66.7)で3位となりました。中国地方では最も高い火災発生率を記録しており、地域密着型の防火活動の展開が重要です。
4位:宮崎県
宮崎県が44.5件(偏差値64.9)で4位です。九州地方では大分県に次ぐ高い数値となっており、両県間での情報共有や対策の検討が有効と考えられます。
5位:島根県
島根県が44.4件(偏差値64.8)で5位となりました。中国地方では山口県と並んで高い数値を示しており、地域全体での取り組みが必要です。
下位5県の詳細分析
47位:富山県
富山県が15.1件(偏差値27.8)で全国最少となりました。優れた防火体制や住民の防火意識の高さが功を奏していると考えられます。
46位:神奈川県
神奈川県が20.5件(偏差値34.7)で下位2位です。都市部でありながら効果的な火災予防対策が実施されていることがうかがえます。
44位(同率):石川県・京都府
石川県と京都府がともに20.8件(偏差値35.0)で同率44位となりました。両府県とも全国平均を大きく下回る良好な結果を示しています。
43位:大阪府
大阪府が21.0件(偏差値35.3)で43位です。人口密度の高い都市部でありながら、火災発生率を低く抑えています。
地域別の特徴分析
九州・四国地方
九州・四国地方では、大分県、高知県、宮崎県が上位に位置しており、この地域での火災発生率が高い傾向が見られます。気候条件や建物の構造、生活様式などが影響している可能性があります。
北陸地方
富山県、石川県、福井県はいずれも全国平均を下回っており、北陸地方全体で火災発生率が低い特徴があります。雪国特有の防火意識や建物構造が寄与している可能性があります。
首都圏
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県はいずれも全国平均以下となっており、都市部における組織的な防火対策の効果が現れています。
関西圏
大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県の中では、和歌山県のみが全国平均を上回っており、関西圏では比較的火災発生率が低い傾向にあります。
格差と課題の考察
最高値の大分県(50.4件)と最低値の富山県(15.1件)との間には、約3.3倍の格差が存在します。この大きな格差は、地域によって火災リスクや防火対策に大きな違いがあることを示しています。
上位県では、住宅の防火設備の充実、地域コミュニティでの防火活動の強化、消防体制の拡充などが急務です。一方、下位県の成功事例を参考に、効果的な防火対策の全国展開が重要な課題となります。
また、人口密度や都市化の程度、気候条件、建物の構造や築年数など、様々な要因が火災発生率に影響を与えているため、各地域の実情に応じた対策の検討が必要です。
統計データの基本情報と分析
分布の特徴
全国平均は約31.0件で、中央値も同程度の水準にあります。分布は正規分布に近い形を示していますが、上位県では大分県が突出して高い値を示しており、下位県では富山県が特に低い値となっています。
地域格差
標準偏差は約8.2件で、全国平均に対して約26%のばらつきがあります。これは都道府県間で火災発生率に相当な差があることを示しており、地域特性に応じた対策の必要性を裏付けています。
四分位範囲
第1四分位(25%点)は約24件、第3四分位(75%点)は約38件となっており、大部分の都道府県がこの範囲内に収まっています。この範囲を大きく外れる県については、特別な要因の分析が必要です。
外れ値の検討
大分県(50.4件)と富山県(15.1件)は統計的な外れ値に相当し、これらの県では他県とは異なる特殊な要因が火災発生率に影響している可能性があります。
まとめ
2022年度の都道府県別火災出火件数(人口10万人当たり)では、大分県が最多、富山県が最少となり、約3.3倍の格差が見られました。九州・四国地方で高い傾向があり、北陸地方や首都圏で低い傾向が確認されました。
この結果は、地域の防火対策や住民の防火意識、建物の特性、気候条件など、多様な要因が複合的に影響していることを示しています。各都道府県においては、データに基づいた実効性のある防火対策の策定と実施が求められます。