都道府県別消防団・分団数ランキング(2023年度)

2023年度の都道府県別消防団・分団数(可住地面積100km²当たり)について、47都道府県のランキングデータを詳しく分析します。消防団は地域防災の中核を担う重要な組織であり、その配置密度は各地域の防災体制を示す重要な指標となっています。

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上位県と下位県の比較

上位5県の詳細分析

東京都57.3団(偏差値82.3)で全国1位となっています。首都圏という高密度な人口集積地域において、きめ細かな防災体制が整備されていることが分かります。都市部特有の災害リスクに対応するため、多数の消防団・分団が配置されています。

兵庫県45.7団(偏差値71.0)で2位です。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、地域防災力の強化が図られており、消防団の充実した配置が実現されています。

徳島県43.9団(偏差値69.2)で3位となっています。南海トラフ地震への備えとして、地域に根ざした防災組織の整備が進んでいることが反映されています。

奈良県39.9団(偏差値65.3)で4位です。山間部を多く抱える地形特性に対応し、きめ細かな消防団配置が行われています。

長崎県39.3団(偏差値64.7)で5位です。離島を多く抱える県として、各地域の防災体制確保のため、消防団の充実が図られています。

下位5県の詳細分析

北海道5.5団(偏差値31.7)で最下位となっています。広大な面積に対して可住地面積が限られており、人口密度の低さが消防団密度にも反映されています。

宮崎県9.0団(偏差値35.1)で46位です。農業県として比較的人口密度が低く、消防団の配置密度も低めになっています。

栃木県10.3団(偏差値36.4)で45位となっています。関東平野の一部として平坦な地形が多く、効率的な消防体制が構築されているものと考えられます。

秋田県10.9団(偏差値37.0)で44位です。人口減少と高齢化が進む中で、消防団の維持・運営にも課題を抱えている状況が数値に表れています。

岩手県12.4団(偏差値38.4)で43位となっています。東日本大震災の被災県として防災意識は高いものの、広大な県土と人口分布の特性が影響していると考えられます。

地域別の特徴分析

都市部の特徴では、東京都、神奈川県、大阪府など人口密集地域で消防団密度が高い傾向が見られます。これは都市災害への対応強化と、きめ細かな地域防災体制の必要性を反映しています。

西日本の特徴として、兵庫県、徳島県、長崎県など、災害リスクの高い地域や離島を抱える県で消防団密度が高くなっています。地震や台風などの自然災害に対する備えが数値に表れています。

東北・北海道の特徴では、広大な面積と人口密度の低さから、消防団密度が相対的に低くなっています。ただし、これは面積当たりの数値であり、実際の防災体制は地域の実情に応じて構築されています。

消防団配置の課題と考察

全国平均は約22.5団となっており、上位と下位の格差は約10倍という大きな開きがあります。この格差は主に地理的条件、人口密度、災害リスクの違いによるものです。

都市部では人口密度に対応したきめ細かな配置が、地方部では広域カバーを重視した効率的な配置が求められています。また、人口減少や高齢化が進む地域では、消防団員の確保と組織の維持が重要な課題となっています。

災害多発地域や離島部では、初期対応力の確保が特に重要であり、消防団の配置密度が高くなる傾向があります。一方で、地形や交通条件によっては、少数精鋭での効率的な体制構築も必要とされています。

統計データの基本情報

2023年度の消防団・分団数データの統計分析を行うと、平均値22.5団に対して中央値は22.3団となっており、分布はほぼ正規分布に近い形を示しています。

標準偏差は約10.2団と比較的大きく、都道府県間でのばらつきが顕著です。特に東京都(57.3団)は外れ値として際立っており、都市部特有の高密度配置を示しています。

四分位範囲(Q3-Q1)は約12.8団となっており、上位25%と下位25%の間には明確な差が存在します。これは地域特性や災害リスクの違いが消防団配置に大きく影響していることを示しています。

分布の歪度はわずかに正の値を示しており、低い値に偏る傾向があります。これは多くの県で比較的低めの消防団密度となっている一方で、一部の都市部で極端に高い値を示していることを反映しています。

まとめ

2023年度の都道府県別消防団・分団数ランキングでは、東京都が57.3団で全国トップ、北海道が5.5団で最下位となりました。上位には都市部や災害リスクの高い地域が多く、下位には広大な面積を持つ地方部が位置しています。

この結果は各地域の地理的条件、人口分布、災害特性を反映したものであり、それぞれの地域に適した防災体制が構築されていることを示しています。今後は人口減少や高齢化の進展に対応しつつ、地域の実情に応じた効果的な消防団運営が求められています。

出典