2022年度の都道府県別消防水利数について、全47都道府県のランキングを詳細に分析します。消防水利数は、火災時の消火活動に欠かせない重要な社会基盤施設の指標であり、地域の防災力を測る重要な要素の一つです。
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上位県と下位県の比較
上位5県の特徴
1位:東京都(179,098所)
東京都が179,098所(偏差値81.4)で全国1位となっています。人口密度が極めて高い首都圏において、高層建築物や商業施設が集中しているため、消防水利の整備が重点的に進められていることが背景にあります。
2位:大阪府(155,871所)
大阪府が155,871所(偏差値75.5)で2位に位置しています。関西圏の中心都市として、商業・工業地域が発達しており、消防水利の充実が図られています。
3位:兵庫県(140,352所)
兵庫県が140,352所(偏差値71.6)で3位となっています。神戸市をはじめとする都市部と、広範囲にわたる県域全体での消防水利整備が進んでいます。
4位:神奈川県(127,381所)
神奈川県が127,381所(偏差値68.3)で4位に入っています。横浜市、川崎市などの人口密集地域を抱え、首都圏の一翼を担う地域として消防水利の整備が重要視されています。
5位:埼玉県(122,841所)
埼玉県が122,841所(偏差値67.1)で5位となっています。首都圏のベッドタウンとして住宅地が広がっており、住民の安全確保のための消防水利整備が進められています。
下位5県の特徴
47位:沖縄県(15,863所)
沖縄県が15,863所(偏差値39.9)で最下位となっています。島嶼県であることから、限られた土地面積の中での消防水利整備となっていることが影響しています。
46位:佐賀県(18,086所)
佐賀県が18,086所(偏差値40.5)で46位に位置しています。比較的小規模な県域と人口規模に対応した消防水利数となっています。
45位:徳島県(19,443所)
徳島県が19,443所(偏差値40.8)で45位となっています。四国地方の中でも県域が比較的コンパクトであることが数値に反映されています。
44位:島根県(20,241所)
島根県が20,241所(偏差値41.0)で44位に入っています。中山間地域が多く、人口密度が低い地域特性が影響しています。
43位:高知県(20,715所)
高知県が20,715所(偏差値41.1)で43位となっています。四国地方の中でも特に中山間地域の割合が高い地理的特徴が数値に表れています。
地域別の特徴分析
関東地方の優位性
関東地方では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県がいずれも上位〜中位に位置しており、首都圏を中心とした消防水利整備の充実ぶりが顕著に表れています。特に首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)はすべて上位7位以内に入っています。
関西圏の充実
関西圏でも大阪府、兵庫県、京都府が上位に位置しており、人口密集地域での消防水利整備が進んでいることがわかります。特に大阪府と兵庫県は全国でも上位3位以内の高い数値を示しています。
中部地方の多様性
中部地方では愛知県が6位と上位に位置する一方、静岡県、長野県、岐阜県も比較的上位〜中位に分布しており、地域の規模や特性に応じた整備状況が見て取れます。
四国・九州地方の課題
四国4県と九州各県の多くが中位〜下位に位置しており、特に四国地方では4県すべてが40位以下となっています。これは人口規模や地理的特性によるものと考えられます。
格差と課題の考察
都市部と地方部の格差
上位に位置する都道府県は主に大都市圏に集中しており、下位には地方部の県が多く見られます。この背景には人口密度、都市化の進展度、産業集積などの要因が複合的に影響していると考えられます。
地理的要因の影響
島嶼県である沖縄県が最下位となっているほか、中山間地域の多い県で数値が低い傾向が見られます。地理的条件が消防水利整備に与える影響の大きさが浮き彫りになっています。
防災力向上への課題
消防水利数の地域格差は、防災力の地域間格差にもつながる可能性があります。各地域の特性に応じた効率的な消防水利整備や、広域連携による防災体制の構築が重要な課題となっています。
統計データの基本情報と分析
分布の特徴
2022年度の都道府県別消防水利数は、平均値が約59,442所、中央値が約39,148所となっており、平均値が中央値を大幅に上回っています。これは東京都、大阪府、兵庫県などの上位県が極めて高い数値を示しているためで、分布が右に大きく歪んでいることを示しています。
地域格差の程度
最高値の東京都(179,098所)と最低値の沖縄県(15,863所)の差は約163,235所と非常に大きく、最高値は最低値の約11.3倍に達しています。標準偏差も大きく、都道府県間の格差が顕著であることがデータからも確認できます。
上位集中の傾向
偏差値70以上の都道府県は東京都、大阪府、兵庫県の3都府県のみで、これらが全体を大きく押し上げています。一方で、偏差値45以下の都道府県が約4分の1を占めており、二極化の傾向が見られます。
四分位による分析
第1四分位(下位25%)は約25,000所以下、第3四分位(上位25%)は約70,000所以上となっており、中位50%の範囲でも約45,000所の幅があります。これは消防水利数が都道府県の規模や特性によって大きく異なることを表しています。
まとめ
2022年度の都道府県別消防水利数ランキングでは、東京都が179,098所で圧倒的な1位となり、大阪府、兵庫県が続いています。上位には首都圏と関西圏の都府県が集中しており、人口密度や都市化の進展が消防水利整備に大きく影響していることが明らかになりました。
一方で、沖縄県をはじめとする下位県では地理的条件や人口規模の影響が顕著に表れており、全国的に見ると大きな地域格差が存在しています。各地域の特性を踏まえた効率的な消防水利整備と、防災力の底上げを図る取り組みが今後の重要な課題といえるでしょう。
消防水利数は地域の防災力を支える重要な基盤であり、今後も継続的な整備と維持管理が求められます。