2023年度の都道府県別保健医療費割合(二人以上の世帯)ランキングでは、埼玉県と愛知県が6.1%で全国1位、山梨県と香川県が6.0%で3位、兵庫県が5.8%で5位となっています。最下位は新潟県の3.7%で、埼玉県・愛知県との差は2.4ポイントにも達します。保健医療費割合は各世帯の支出に占める医療費の割合を示す重要な指標であり、地域の医療環境、高齢化の進行状況、健康意識の違いなどを反映しています。上位県では首都圏や都市部の高い医療費水準と急速な高齢化が影響しており、下位県では地域医療の効率化や予防医療の充実が医療費抑制に寄与しています。
概要
保健医療費割合(二人以上の世帯)は、各世帯の支出に占める医療費の割合を示す重要な指標です。この統計は、家計調査に基づいて算出され、地域の医療環境、高齢化の進行状況、健康意識の違いなどを反映しています。
この指標は、家計負担の実態把握、地域医療政策の指標、高齢化社会の実態反映、経済的格差の可視化、健康格差の把握など、様々な観点から重要な意味を持っています。2023年度のデータでは、最上位の埼玉県・愛知県が6.1%(偏差値72.0)、最下位の新潟県が3.7%(偏差値29.1)となり、2.4ポイントの大きな格差が生じています。
2023年度のデータによると、全国の保健医療費割合は地域によって大きな差があります。埼玉県と愛知県が6.1%で全国で最も高く、山梨県と香川県が6.0%で3位、兵庫県が5.8%で5位となっています。一方、新潟県(3.7%)、富山県(4.1%)、石川県(4.1%)、島根県(4.1%)、高知県(4.1%)などは保健医療費割合が低く、地域医療の効率化や予防医療の充実が進んでいる地域の特徴を示しています。
保健医療費割合の地域差は、主に医療環境の違い、高齢化の進行状況、健康意識の違いによって形成されています。特に首都圏や都市部では高度な医療機関へのアクセスが良好である一方で、医療費負担も高くなっています。一方、地方部では地域医療の効率化や予防医療の充実により、医療費負担が抑制されている傾向があります。
この地域間格差は、家計の健全性や地域経済、健康格差など様々な面に影響を与えています。保健医療費割合が高い地域では世帯の可処分所得に占める医療費の負担が重くなり、他の生活支出への影響が懸念されます。一方、低い地域では医療費負担が軽減され、他の消費活動への余裕が生まれています。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
埼玉県(6.1%、偏差値72.0)
埼玉県は保健医療費割合6.1%で全国1位となっています。首都圏の高い医療費水準と急速な高齢化が影響しており、都心部へのアクセスが良好で専門医療機関への受診機会が多いことが主な要因です。高齢化率の上昇により医療ニーズが増加していることも影響しています。東京に隣接する立地を活かし、高度な医療サービスへのアクセスが向上している一方で、医療費負担も増加している状況です。
愛知県(6.1%、偏差値72.0)
愛知県も同率1位の6.1%を記録しています。製造業中心の産業構造と都市部の医療環境が影響しており、名古屋市を中心とした医療機関の集積により、高度な医療サービスへのアクセスが向上している一方で、医療費負担も増加している状況です。中部地方の医療拠点としての機能が影響し、周辺地域からの患者も多く受け入れています。
山梨県(6.0%、偏差値70.2)
山梨県は保健医療費割合6.0%で全国3位です。中山間地域の特性により、医療アクセスの制約から一回の受診で多くの診療を受ける傾向があります。また、隣接する首都圏の医療機関への受診も多く、交通費を含めた医療費負担が高くなっています。甲府盆地を中心に人口が集中し、果樹栽培などの農業が盛んな地域です。
香川県(6.0%、偏差値70.2)
香川県は保健医療費割合6.0%で山梨県と同率の3位です。四国の医療拠点としての役割を果たしており、周辺地域からの患者も多く受け入れています。高齢化率の高さと相まって、医療費負担が全国平均を大きく上回っています。讃岐平野を中心に集約的な農業が行われている地域です。
兵庫県(5.8%、偏差値66.6)
兵庫県は保健医療費割合5.8%で全国5位です。神戸市を中心とした医療機関の充実により、質の高い医療サービスを提供している一方で、医療費負担も相応に高くなっています。関西圏の医療ハブとしての機能が影響し、播磨平野や但馬地方など多様な地形を有する地域です。
下位5県の詳細分析
富山県(4.1%、偏差値36.3)
富山県は保健医療費割合4.1%で全国42位です。「薬都とやま」として知られる製薬業の集積地で、予防医療や健康管理への意識が高い地域です。配置薬による日常的な健康管理が浸透しており、重篤な疾患の予防効果が医療費抑制に寄与しています。北陸の医療拠点として効率的な医療提供体制が整備されています。
石川県(4.1%、偏差値36.3)
石川県は保健医療費割合4.1%で富山県と同率の42位です。北陸の医療拠点として効率的な医療提供体制が整備されており、医療費の適正化が図られています。金沢市を中心とした医療機関の集約により、コスト効率の良い医療サービスが実現されています。日本海側の気候と地形の影響を受けています。
島根県(4.1%、偏差値36.3)
島根県は保健医療費割合4.1%で全国42位です。中山間地域の特性により、地域医療の効率化が進んでいます。県全体での医療連携システムが構築されており、必要最小限の医療費で効果的な医療提供が行われています。中国山地の影響で可住地が限られており、山岳地帯が多い地域です。
高知県(4.1%、偏差値36.3)
高知県は保健医療費割合4.1%で全国42位です。地域医療の充実により、予防医療と治療の効果的な組み合わせが実現されています。県立病院を中心とした医療ネットワークにより、効率的な医療サービスが提供されています。四国山地が県土の大部分を占め、太平洋に面した温暖な気候を活かした農業や漁業が盛んです。
新潟県(3.7%、偏差値29.1)
新潟県は保健医療費割合3.7%で全国最下位です。地域の健康づくりへの取り組みが奏功しており、米どころとしての食文化の豊かさと、冬季の運動習慣の定着により、生活習慣病の予防効果が高いことが影響しています。日本海側最大の平野である新潟平野を有し、稲作が盛んな地域です。
地域別の特徴分析
北海道・東北地方
北海道・東北地方は比較的医療費割合が低い傾向にあります。青森県が4.6%(偏差値45.2)、岩手県が4.9%(偏差値50.6)など、全国平均を下回る県が多く見られます。広大な地域での効率的な医療提供体制の構築が影響しています。宮城県(5.5%、偏差値61.3)は東北地方の中心都市として比較的高い値を示しています。
北海道(5.2%、偏差値55.9)は広大な面積を有し、石狩平野や十勝平野などの広大な平野部がありますが、山岳地帯も多いため医療費割合は全国平均に近い値となっています。秋田県(4.5%、偏差値43.4)や山形県(4.7%、偏差値47.0)は中山間地域の特性により、地域医療の効率化が進んでいます。
関東地方
関東地方は医療費割合が高い傾向が顕著です。埼玉県が全国1位、東京都が5.3%(偏差値57.7)など、首都圏の医療環境の充実が医療費負担の増加につながっています。高度医療へのアクセスが良好な一方で、医療費負担も高くなっています。
神奈川県(5.4%、偏差値59.5)や千葉県(5.3%、偏差値57.7)も比較的高い値を示しており、首都圏の医療拠点として機能しています。群馬県(4.1%、偏差値36.3)は山地の影響でやや低い値となっています。関東平野は日本最大の平野であり、首都圏として高度に発達した都市機能を有しています。
中部地方
中部地方は地域による格差が大きく見られます。愛知県が全国1位の一方で、新潟県が最下位となっており、地域の特性により大きな差が生じています。製造業の集積地と農業地域での医療ニーズの違いが影響しています。
山梨県(6.0%、偏差値70.2)は中山間地域の特性により高い値を示しています。長野県(5.3%、偏差値57.7)や静岡県(4.9%、偏差値50.6)は中間的な値を示しています。富山県(4.1%、偏差値36.3)や石川県(4.1%、偏差値36.3)は北陸の医療拠点として効率的な医療提供体制が整備されています。
近畿地方
近畿地方は関西圏の医療拠点として比較的高い医療費割合を示しています。兵庫県が5位、大阪府が4.8%(偏差値48.8)など、都市部の医療機関の充実が医療費負担の増加に寄与しています。
京都府(4.8%、偏差値48.8)や奈良県(4.9%、偏差値50.6)は歴史的な都市として古くからの都市機能と農村地域が共存しています。滋賀県(5.3%、偏差値57.7)や和歌山県(4.8%、偏差値48.8)は中間的な値を示しています。大阪府は関西地方の経済・文化の中心地として、高度に都市化された地域です。
中国・四国地方
中国・四国地方は地域医療の効率化により、適正な医療費水準を保っています。香川県が3位と高い一方で、島根県、高知県が42位と低く、地域の医療体制の違いが反映されています。
広島県(4.6%、偏差値45.2)や岡山県(4.8%、偏差値48.8)は中間的な値を示しています。山口県(5.3%、偏差値57.7)や徳島県(4.8%、偏差値48.8)も地域の特性により異なる値を示しています。香川県は四国の医療拠点としての役割を果たしており、高齢化率の高さと相まって医療費負担が高くなっています。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方は全体的に医療費割合が中程度で安定しています。福岡県が5.0%(偏差値52.4)、沖縄県が4.7%(偏差値47.0)など、地域医療の充実と効率化のバランスが取れています。
佐賀県(5.1%、偏差値54.1)や鹿児島県(5.3%、偏差値57.7)は比較的高い値を示しています。長崎県(4.8%、偏差値48.8)や熊本県(4.8%、偏差値48.8)は中間的な値です。大分県(4.3%、偏差値39.9)や宮崎県(4.6%、偏差値45.2)はやや低い値となっています。
社会的・経済的影響
地域格差の実態
最上位の埼玉県・愛知県(6.1%)と最下位の新潟県(3.7%)の間には2.4ポイントの格差があり、これは約65%の差に相当します。この格差は単なる数値の違いを超えて、家計への影響や地域経済への影響、健康格差の拡大など、様々な社会的影響をもたらしています。
家計への影響
医療費割合の高い地域では、世帯の可処分所得に占める医療費の負担が重くなり、他の生活支出への影響が懸念されます。特に高齢者世帯では、医療費負担が生活の質に直接的な影響を与える可能性があります。
地域経済への影響
医療費負担の地域格差は、地域経済の活性化にも影響を与えます。医療費負担が高い地域では、消費活動の抑制や投資意欲の減退が生じる可能性があります。
健康格差の拡大
医療費負担の地域格差は、健康格差の拡大にもつながる恐れがあります。医療費負担が重い地域では、必要な医療サービスの受診を控える傾向が生じる可能性があります。
対策と今後の展望
効率的な医療提供体制の構築
地域医療連携の強化により、効率的な医療提供体制の構築が重要です。新潟県や富山県の取り組みを参考に、予防医療の充実と効率的な医療サービスの提供を目指すことが必要です。
予防医療の推進
生活習慣病の予防や健康づくりの推進により、医療費の抑制効果が期待できます。地域の特性を活かした健康づくり事業の展開が重要です。
医療費適正化の取り組み
医療費の適正化に向けた取り組みを継続的に推進することが必要です。ジェネリック医薬品の普及や重複受診の防止などの施策が効果的です。
地域間格差の是正
地域間の医療費格差を是正するため、医療資源の適正配置と効率的な活用が求められます。遠隔医療の活用や医療機関の連携強化が重要な課題です。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値% |
---|---|
平均値 | 4.9 |
中央値 | 4.8 |
最大値 | 6.1(埼玉県) |
最小値 | 3.7(新潟県) |
標準偏差 | 0.6 |
データ数 | 47件 |
統計的特徴の分析
2023年度の保健医療費割合(二人以上の世帯)の統計分析では、全国平均が約4.9%で、中央値も同程度の水準にあることから、データの分布は比較的正規分布に近い形状を示しています。
標準偏差から、都道府県間のばらつきは一定程度存在しますが、極端な外れ値は少ないことが分かります。最大値(埼玉県・愛知県の6.1%)と最小値(新潟県の3.7%)の差は2.4ポイントと、医療費割合としては大きな格差となっています。
偏差値による分析
偏差値70以上の都道府県は埼玉県(72.0)、愛知県(72.0)、山梨県(70.2)、香川県(70.2)の4県です。これらは全国平均を大きく上回る医療費割合を持っています。
逆に偏差値40以下の都道府県は新潟県(29.1)、富山県(36.3)、石川県(36.3)、島根県(36.3)、高知県(36.3)の5県であり、これらは医療費割合が全国平均を大きく下回っています。
まとめ
保健医療費割合(二人以上の世帯)は、地域の医療環境や高齢化の進行状況、健康意識の違いを反映する重要な指標です。埼玉県や愛知県など都市部では高い値を示し、新潟県など地方部では低い値となっています。
この指標は単に医療費負担の違いを示すだけでなく、地域の社会経済構造や健康格差、家計の健全性など、多くの要素と関連しています。地域間の医療費格差を理解することは、地域医療政策や社会保障制度の改善、健康格差の是正など様々な政策立案において重要な基礎情報となります。
特に高齢化社会において、医療費負担の適正化と地域間格差の是正は、今後の日本の医療政策における重要なテーマとなるでしょう。
順位↓ | 都道府県 | 値 (%) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 埼玉県 | 6.1 | 72.0 | +35.6% |
2 | 愛知県 | 6.1 | 72.0 | +1.7% |
3 | 山梨県 | 6.0 | 70.2 | +20.0% |
4 | 香川県 | 6.0 | 70.2 | +22.4% |
5 | 兵庫県 | 5.8 | 66.6 | +7.4% |
6 | 宮城県 | 5.5 | 61.3 | +10.0% |
7 | 神奈川県 | 5.4 | 59.5 | - |
8 | 千葉県 | 5.3 | 57.7 | -1.9% |
9 | 東京都 | 5.3 | 57.7 | -1.9% |
10 | 長野県 | 5.3 | 57.7 | +10.4% |
11 | 滋賀県 | 5.3 | 57.7 | +3.9% |
12 | 山口県 | 5.3 | 57.7 | +17.8% |
13 | 鹿児島県 | 5.3 | 57.7 | -10.2% |
14 | 北海道 | 5.2 | 55.9 | +20.9% |
15 | 佐賀県 | 5.1 | 54.1 | -1.9% |
16 | 福岡県 | 5.0 | 52.4 | - |
17 | 岩手県 | 4.9 | 50.6 | +4.3% |
18 | 静岡県 | 4.9 | 50.6 | -3.9% |
19 | 奈良県 | 4.9 | 50.6 | -3.9% |
20 | 愛媛県 | 4.9 | 50.6 | -2.0% |
21 | 京都府 | 4.8 | 48.8 | -21.3% |
22 | 大阪府 | 4.8 | 48.8 | +2.1% |
23 | 和歌山県 | 4.8 | 48.8 | +17.1% |
24 | 鳥取県 | 4.8 | 48.8 | +11.6% |
25 | 岡山県 | 4.8 | 48.8 | -11.1% |
26 | 徳島県 | 4.8 | 48.8 | -11.1% |
27 | 長崎県 | 4.8 | 48.8 | -18.6% |
28 | 熊本県 | 4.8 | 48.8 | -9.4% |
29 | 山形県 | 4.7 | 47.0 | +4.4% |
30 | 沖縄県 | 4.7 | 47.0 | +2.2% |
31 | 青森県 | 4.6 | 45.2 | +21.1% |
32 | 岐阜県 | 4.6 | 45.2 | -4.2% |
33 | 広島県 | 4.6 | 45.2 | -9.8% |
34 | 宮崎県 | 4.6 | 45.2 | -14.8% |
35 | 秋田県 | 4.5 | 43.4 | +7.1% |
36 | 栃木県 | 4.5 | 43.4 | -13.5% |
37 | 福井県 | 4.5 | 43.4 | +7.1% |
38 | 三重県 | 4.4 | 41.6 | -21.4% |
39 | 福島県 | 4.3 | 39.9 | -2.3% |
40 | 茨城県 | 4.3 | 39.9 | -12.2% |
41 | 大分県 | 4.3 | 39.9 | -8.5% |
42 | 群馬県 | 4.1 | 36.3 | -16.3% |
43 | 富山県 | 4.1 | 36.3 | -18.0% |
44 | 石川県 | 4.1 | 36.3 | -25.4% |
45 | 島根県 | 4.1 | 36.3 | -8.9% |
46 | 高知県 | 4.1 | 36.3 | -6.8% |
47 | 新潟県 | 3.7 | 29.1 | -13.9% |