2023年度のその他の消費支出割合(二人以上の世帯)において、茨城県と福井県が22.2%で同率1位、東京都が15.7%で最下位となり、6.5ポイントという大きな格差が存在しています。この指標は、食費・住居費・交通費などの基本的な生活費以外の支出(娯楽・レジャー、教育、保険、冠婚葬祭など)が家計に占める割合を示し、世帯の生活水準や経済的余裕度を表す重要な指標です。全国平均は18.9%となっており、地方部で高く都市部で低い傾向が見られ、住宅費負担の地域差や世帯構成の違いが大きく影響しています。この格差は約1.4倍に達し、地域の消費構造と生活スタイルの違いを明確に示しています。
概要
その他の消費支出割合(二人以上の世帯)とは、二人以上の世帯の消費支出総額に占める、基本的な生活費以外の支出項目の割合を示す重要な経済指標です。具体的には娯楽・レジャー、教育費、保険料、冠婚葬祭費、趣味・嗜好品、美容・理容費、その他雑費などが含まれます。
この指標が重要な理由として、世帯の生活水準と経済的余裕度を客観的に評価できることがあります。基本的な生活費以外への支出は、世帯の可処分所得の余裕度を直接的に反映します。地域の消費構造と生活スタイルの特徴を把握でき、マーケティング戦略や政策立案の基礎データとなります。
社会経済動向の変化を反映する指標として機能し、デジタル化、高齢化、価値観の変化などが消費パターンに与える影響を分析できます。地域経済の活性化度合いを測る指標として活用でき、地域の経済政策や社会保障制度の検討に必要不可欠なデータとなっています。
2023年度の全国平均は18.9%となっています。茨城県・福井県が22.2%で同率1位、東京都が15.7%で最下位という結果になりました。地方部では相対的に住宅費負担が軽く、その他の支出に回せる余裕があることが高い数値の要因となっています。
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上位5県の詳細分析
茨城県(1位)
茨城県は22.2%(偏差値69.9)で全国1位となりました。東京都心部へのアクセスが良好でありながら、住宅コストが相対的に安いため、可処分所得に余裕があることが主要な要因です。首都圏のベッドタウンとして発展し、比較的高い所得水準を維持しながら、生活費は抑制されています。
農業県としての特性から、冠婚葬祭などの伝統的な支出や地域コミュニティでの共同支出が多いことも影響しています。世帯規模が比較的大きく、教育費や娯楽費への支出が多い傾向があります。通勤費負担はあるものの、住宅費の安さがそれを上回る効果を生んでいます。
福井県(1位)
福井県は22.2%(偏差値69.9)で同率1位となりました。三世代同居率が全国トップクラスで高く、世帯規模が大きいことから、教育費や娯楽費の支出が多い傾向があります。県民の貯蓄率が高く、経済的な余裕がその他の消費支出に反映されています。
製造業を中心とした安定した産業基盤により、世帯所得が安定していることも要因の一つです。地域コミュニティの結束が強く、冠婚葬祭や地域行事への支出が多いことも特徴です。住宅費負担が軽く、その分を教育や娯楽に振り向けることができています。
香川県(3位)
香川県は21.4%(偏差値65.3)で3位となりました。コンパクトな県土で移動費が少ないことや、温暖な気候で外食・レジャー支出が多いことが特徴です。うどん文化に代表される外食文化の浸透も要因の一つとなっています。
瀬戸内海の温暖な気候により、年間を通じてレジャー活動が活発で、娯楽・観光関連の支出が多い傾向があります。県内での移動コストが低く、その分を娯楽や教育に振り向けることができています。
奈良県(4位)
奈良県は21.3%(偏差値64.8)で4位となりました。大阪府のベッドタウンとして発展し、比較的高い所得水準を維持しています。歴史的な文化背景から、教育や文化活動への支出が多い傾向があります。
古都としての文化的環境により、教育費や文化活動費への支出が活発です。大阪圏への通勤者が多く、世帯所得は高いものの住宅費負担は大阪府内より軽いため、その他の支出に余裕があります。
宮崎県(5位)
宮崎県は21.1%(偏差値63.6)で5位となりました。観光業が盛んで、地元でのレジャー・娯楽支出が多いことが特徴です。農業県として冠婚葬祭などの共同体的な支出も多い傾向があります。
温暖な気候と豊かな自然環境により、レジャー・娯楽活動が年間を通じて活発です。地域コミュニティの結束が強く、冠婚葬祭や地域行事への支出が多いことも特徴です。
下位5県の詳細分析
東京都(47位)
東京都は15.7%(偏差値32.8)で最下位となりました。住宅費・交通費などの固定費が極めて高いため、その他の支出に回せる余裕が少ないことが主因です。単身世帯が多く、世帯当たりの支出構造が他県と大きく異なることも影響しています。
都市部特有の高い住宅費が家計を圧迫し、娯楽・教育・保険などの支出を制限しています。通勤費負担も重く、可処分所得に占める固定費の割合が極めて高くなっています。単身世帯の割合が高いことで、世帯当たりのその他支出が相対的に少なくなっています。
宮城県(46位)
宮城県は15.9%(偏差値33.9)で46位となりました。東日本大震災からの復興過程で、住宅再建などの必要支出が多く、娯楽・レジャーなどの支出が抑制されている可能性があります。
復興関連の支出や住宅ローンの負担が重く、その他の支出に回せる余裕が制限されています。震災の影響により、生活の優先順位が基本的な生活基盤の確保に向けられていることも要因です。
愛媛県(45位)
愛媛県は16.0%(偏差値34.5)で45位となりました。人口減少と高齢化の進展により、教育費などの支出が減少し、全体的に消費が抑制される傾向があります。
高齢化の進行により、教育費や娯楽費への支出が減少しています。人口減少により地域経済が縮小し、世帯所得の伸び悩みがその他支出の制約要因となっています。
北海道(44位)
北海道は16.4%(偏差値36.8)で44位となりました。冬季の暖房費など光熱費の負担が大きく、その他の支出に回せる余裕が制限されています。広大な面積による移動コストの高さも影響しています。
寒冷地特有の光熱費負担の重さが家計を圧迫し、その他の支出を制限しています。広大な面積により移動コストが高く、娯楽・レジャー活動への支出が制約されています。
大阪府(43位)
大阪府は16.5%(偏差値37.3)で43位となりました。都市部特有の高い住宅費や交通費が家計を圧迫し、その他の支出の余裕を削っています。単身世帯の割合が高いことも影響しています。
大都市圏特有の高い住宅費・交通費負担により、その他の支出に回せる余裕が制限されています。単身世帯の割合が高く、世帯当たりのその他支出が相対的に少なくなっています。
地域別の特徴分析
関東地方
茨城県22.2%が1位と突出して高い一方、東京都15.7%が47位と最下位という極端な格差があります。栃木県18.0%、群馬県19.1%、埼玉県17.4%、千葉県17.1%、神奈川県17.2%は中位に分布しています。
首都圏内でも住宅費負担の違いにより大きな格差が生じており、東京都心部では固定費が高く、周辺県では相対的に余裕があることが明確に現れています。通勤圏内であっても住宅費の差がその他支出に大きく影響しています。
関西地方
奈良県21.3%が4位と高い水準を示す一方、大阪府16.5%が43位と低い水準となっています。京都府18.2%、兵庫県17.6%、滋賀県19.6%、和歌山県19.7%は中位に分布しています。
関西圏内でも都市部と周辺部の格差が明確で、大阪府の都市部では住宅費負担が重く、奈良県などのベッドタウンでは相対的に余裕があることが示されています。
中部地方
福井県22.2%が1位とトップクラスの一方、愛知県17.2%が40位と工業地帯特有の低い水準を示しています。石川県19.8%、山梨県16.6%、長野県18.7%、岐阜県19.3%、静岡県17.9%、新潟県18.2%、富山県19.0%は中位に分布しています。
北陸地方では三世代同居率の高さと安定した産業基盤により高い水準を維持している一方、中京工業地帯では実用的な支出が優先される傾向があります。
九州・沖縄地方
宮崎県21.1%が5位、佐賀県20.6%が7位など、多くの県で全国平均を上回っています。福岡県17.8%、長崎県19.5%、熊本県19.2%、大分県18.9%、鹿児島県18.8%、沖縄県18.4%は中位に分布しています。
農業県としての特性や比較的ゆとりのある生活スタイルが反映されており、地域コミュニティの結束が強く、冠婚葬祭や地域行事への支出が多い傾向があります。
中国・四国地方
香川県21.4%が3位と高水準を記録していますが、愛媛県16.0%が45位と下位に位置し、地域内での格差が大きい特徴があります。岡山県19.4%、広島県17.7%、山口県19.1%、徳島県18.1%、高知県18.3%、鳥取県18.5%、島根県19.0%は中位に分布しています。
瀬戸内海沿岸部と山間部での経済状況の違いや、人口減少・高齢化の進行度合いの違いが地域内格差を生んでいます。
東北・北海道地方
北海道16.4%が44位、宮城県15.9%が46位など、多くの地域で全国平均を下回っています。青森県18.6%、岩手県16.9%、秋田県19.9%、山形県18.5%、福島県18.1%は中位に分布しています。
寒冷地特有の光熱費負担の重さや、震災復興関連の支出が影響しています。秋田県は比較的高い水準を維持していますが、全体として固定費負担が重い地域が多くなっています。
社会的・経済的影響
1位茨城県・福井県と47位東京都の格差6.5ポイントは、約1.4倍の開きを示しており、この地域間格差は消費構造と生活の質に大きな影響を与えています。
住宅費負担の地域差が最も大きな要因となっており、都市部では住宅費・交通費などの固定費が高く、その他の支出に回せる余裕が制限されています。一方、地方部では相対的に固定費が安く、娯楽・教育・冠婚葬祭などの支出により多くの資金を配分できています。
世帯構成の違いも重要な要因で、三世代同居率が高い地域では教育費や娯楽費などの支出が多くなる傾向があります。単身世帯が多い都市部では、その他の支出割合が低くなる特徴があります。
産業構造との関連では、農業県では冠婚葬祭などの共同体的な支出が多く、工業地帯では実用的な支出が優先される傾向があります。これが地域間の格差を生む要因の一つとなっています。
対策と今後の展望
地域特性に応じた消費環境の改善が重要な課題となっています。都市部では住宅コスト対策として、公的住宅の提供や住宅補助制度の拡充が必要です。
文化・レジャー施設の充実により、地域の特性を活かした娯楽・文化施設の整備を進める必要があります。教育機会の拡充として、生涯学習や職業訓練の機会を増やし、教育投資を促進することが重要です。
交通費負担軽減策として、公共交通機関の利用促進やテレワークの推進により、固定費負担を軽減する取り組みが求められています。地域密着型サービスの充実により、身近な場所でのレジャー・文化活動の機会創出が必要です。
コミュニティ支援の強化として、地域の絆を深める活動や行事への支援強化により、地域の消費活動を活性化することが重要です。
指標 | 値% |
---|---|
平均値 | 18.7 |
中央値 | 18.9 |
最大値 | 22.2(茨城県) |
最小値 | 15.7(東京都) |
標準偏差 | 1.8 |
データ数 | 47件 |
統計データの基本情報と分析
全国のその他の消費支出割合の平均値は約18.9%となっています。中央値は約18.8%で、平均値とほぼ同じ値を示しており、データの分布がほぼ対称的であることを示しています。
標準偏差は約1.8ポイントで、都道府県間の格差は中程度の水準です。変動係数は約9.5%となり、相対的なばらつきは比較的小さいと言えます。最高値と最低値の差は6.5ポイント(22.2%−15.7%)に達し、地域間の格差が存在することを示しています。
第1四分位数は約17.6%、第3四分位数は約20.1%で、四分位範囲は約2.5ポイントです。中央の50%の都道府県のその他の消費支出割合が17.6%から20.1%の間に収まっています。
茨城県と福井県の22.2%は上側の外れ値、東京都の15.7%は下側の外れ値と考えられます。特に東京都は、46位の宮城県との差が0.2ポイントと小さいものの、全国平均との差が約3.2ポイントと大きく、統計的に見ても特異な値を示しています。
この分布パターンは、住宅費負担の地域差(都市部vs地方部)、世帯構成の違い(三世代同居vs単身世帯)、産業構造の違い(農業県vs工業地帯)、地理的条件(気候、移動コスト)、文化的要因(地域コミュニティの結束度)が複合的に影響した結果と考えられます。
まとめ
2023年度のその他の消費支出割合(二人以上の世帯)分析により、重要な地域格差の実態が明らかになりました。
茨城県・福井県が22.2%で同率1位となり、住宅費負担の軽さと経済的余裕が高い支出割合を実現しています。東京都との間に6.5ポイントの格差があり、約1.4倍の地域格差が存在します。地方部で高く都市部で低い明確な地域パターンが見られます。
住宅費負担の地域差がその他の消費支出に最も大きく影響しており、都市部の高い固定費負担が娯楽・教育・文化活動への支出を制限しています。世帯構成の違いも重要な要因で、三世代同居率の高い地域では教育費や娯楽費への支出が多くなっています。
産業構造と文化的背景の違いが消費パターンに大きく影響し、農業県では冠婚葬祭などの共同体的支出が多く、工業地帯では実用的支出が優先される傾向があります。地域コミュニティの結束度が消費行動に影響を与えています。
この格差は単なる経済的な差異を超えて、生活の質と地域の文化的豊かさに関わる重要な問題です。都市部では住宅コスト対策と交通費負担軽減、地方部では文化・レジャー施設の充実と教育機会の拡充など、地域特性に応じた対策が求められています。
地域の消費構造の特性を理解し、効果的な経済政策や社会保障制度の設計に活用することで、全国各地域での生活の質向上を目指すことが重要です。継続的なデータモニタリングにより、地域格差の変化を追跡し、適切な政策対応を図っていくことが必要です。
順位↓ | 都道府県 | 値 (%) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 茨城県 | 22.2 | 69.9 | +18.1% |
2 | 福井県 | 22.2 | 69.9 | +4.7% |
3 | 香川県 | 21.4 | 65.3 | -12.7% |
4 | 奈良県 | 21.3 | 64.8 | +21.0% |
5 | 宮崎県 | 21.1 | 63.6 | -5.0% |
6 | 岡山県 | 20.8 | 61.9 | -10.7% |
7 | 長崎県 | 20.8 | 61.9 | -0.5% |
8 | 大分県 | 20.6 | 60.8 | -5.9% |
9 | 長野県 | 20.5 | 60.2 | +2.0% |
10 | 福岡県 | 20.5 | 60.2 | +4.1% |
11 | 佐賀県 | 20.4 | 59.6 | +9.1% |
12 | 徳島県 | 20.3 | 59.0 | +1.5% |
13 | 秋田県 | 19.9 | 56.8 | +9.9% |
14 | 静岡県 | 19.7 | 55.6 | +0.5% |
15 | 京都府 | 19.7 | 55.6 | +7.1% |
16 | 山口県 | 19.7 | 55.6 | -12.1% |
17 | 鹿児島県 | 19.7 | 55.6 | -3.4% |
18 | 高知県 | 19.5 | 54.5 | -0.5% |
19 | 埼玉県 | 19.3 | 53.3 | +29.5% |
20 | 千葉県 | 19.2 | 52.8 | +9.7% |
21 | 熊本県 | 19.2 | 52.8 | +3.8% |
22 | 岐阜県 | 19.0 | 51.6 | -4.5% |
23 | 鳥取県 | 19.0 | 51.6 | -2.1% |
24 | 島根県 | 18.9 | 51.0 | -3.1% |
25 | 青森県 | 18.6 | 49.3 | -1.1% |
26 | 新潟県 | 18.4 | 48.2 | -1.1% |
27 | 福島県 | 18.2 | 47.0 | +6.4% |
28 | 富山県 | 18.1 | 46.5 | -6.7% |
29 | 栃木県 | 18.0 | 45.9 | +4.0% |
30 | 滋賀県 | 17.7 | 44.2 | +3.5% |
31 | 群馬県 | 17.6 | 43.6 | -15.0% |
32 | 兵庫県 | 17.6 | 43.6 | -7.4% |
33 | 山形県 | 17.3 | 41.9 | -0.6% |
34 | 和歌山県 | 17.3 | 41.9 | -8.5% |
35 | 沖縄県 | 17.3 | 41.9 | +1.8% |
36 | 神奈川県 | 17.2 | 41.3 | +11.7% |
37 | 広島県 | 17.2 | 41.3 | -8.0% |
38 | 愛知県 | 17.0 | 40.2 | -5.6% |
39 | 岩手県 | 16.9 | 39.6 | -5.1% |
40 | 石川県 | 16.7 | 38.5 | - |
41 | 山梨県 | 16.6 | 37.9 | -20.6% |
42 | 三重県 | 16.6 | 37.9 | -14.9% |
43 | 大阪府 | 16.5 | 37.3 | -14.1% |
44 | 北海道 | 16.4 | 36.8 | -1.8% |
45 | 愛媛県 | 16.0 | 34.5 | -12.1% |
46 | 宮城県 | 15.9 | 33.9 | -13.6% |
47 | 東京都 | 15.7 | 32.8 | -8.7% |