2014年度における、二人以上の世帯を対象としたパソコンの所有数量(千世帯当たり)について、都道府県別のランキングを分析します。このデータは、当時の日本におけるデジタルデバイド(情報格差)の実態を理解する上で貴重な資料です。
概要
パソコンの所有数量は、情報化社会へのアクセス度合いを示す基本的な指標です。2014年時点でのこのデータは、各地域の経済状況、産業構造、そして住民のライフスタイルなどを反映しています。特に、IT関連産業が集積する都市部と、第一次産業が中心の地方とでは、パソコンの必要性や普及率に大きな差が見られました。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
2014年度のランキングでは、首都圏や製造業が盛んな県が上位を占めました。これらの地域では、仕事や教育におけるパソコンの必要性が高く、また所得水準も比較的高かったことが、高い所有率につながったと考えられます。
東京都
東京都は、千世帯当たりのパソコン所有数量が1570台(偏差値69.0)で、全国1位です。多くの企業が本社を構え、ITを駆使した業務が日常的であったことが、家庭へのパソコン普及を促進しました。
福井県
福井県は1558台(偏差値68.3)で2位にランクインしました。製造業が盛んであり、共働き率や持ち家率が高いといった県民性も、世帯当たりのパソコン所有台数を押し上げた要因と考えられます。
滋賀県
滋賀県は1547台(偏差値67.6)で3位です。大手企業の工場や事業所が多く立地し、安定した雇用と高い所得水準が、パソコン購入の土壌となっていました。
神奈川県
神奈川県は1477台(偏差値63.2)で4位でした。東京都のベッドタウンとして、多くのIT関連従事者が居住していることが、高い所有率に結びついています。
富山県
富山県は1454台(偏差値61.7)で5位に入りました。福井県と同様に、製造業が盛んであり、教育熱心な県民性もパソコンの普及を後押ししたと考えられます。
下位5県の詳細分析
下位の県は、主に第一次産業の割合が高い地域や、離島を多く抱える県でした。これらの地域では、パソコンを必要とする場面が比較的少なく、また経済的な要因も所有率の低さにつながったと推測されます。
高知県
高知県は997台(偏差値32.9)で45位です。林業や漁業といった第一次産業が中心であり、パソコンを多用する業務が少なかったことが影響していると考えられます。
青森県
青森県は900台(偏差値26.7)で46位でした。農業が主要産業であり、高齢化率も高かったことから、パソコンの普及が他の地域に比べて遅れていました。
沖縄県
沖縄県は850台(偏差値23.6)で最下位の47位となりました。所得水準が全国的に見て低いことや、観光業などのサービス産業に従事する人の割合が高いことが、パソコン所有率の低さにつながったと考えられます。
地域別の特徴分析
社会的・経済的影響
2014年当時、パソコンの所有は、情報へのアクセス機会や、学習・就労の機会に直結していました。パソコンの所有率の地域差は、そのままデジタルデバイド、すなわち情報格差を意味していました。この格差は、子どもたちの教育機会の不平等や、成人の就労機会の限定につながる可能性がありました。例えば、インターネットを利用した学習コンテンツへのアクセスや、在宅ワークといった新しい働き方への対応において、パソコンを所有しているかどうかは大きな差を生み出しました。また、行政サービスの電子化が進む中で、パソコンを持たない人々は情報から疎外され、不利益を被る可能性もありました。
対策と今後の展望
2014年以降、スマートフォンやタブレット端末の急速な普及により、誰もがインターネットにアクセスできる環境は大きく改善されました。これにより、かつてのようなパソコンの所有の有無によるデジタルデバイドは、形を変えつつあります。しかし、依然として、高度な情報処理やコンテンツ制作など、パソコンでなければ難しい作業は多く存在します。今後は、単にデバイスを所有しているかどうかだけでなく、それをいかに活用できるかという「デジタルリテラシー」の格差が、新たな課題として重要性を増してくるでしょう。国や自治体には、GIGAスクール構想のような教育現場でのICT環境整備に加え、高齢者などデジタル機器の利用に不慣れな人々へのサポートを継続的に行うことが求められます。
統計データの基本情報と分析
指標 | 値台 |
---|---|
平均値 | 1,268.4 |
中央値 | 1,304 |
最大値 | 1,570(東京都) |
最小値 | 850(沖縄県) |
標準偏差 | 158.4 |
データ数 | 47件 |
まとめ
2014年度のパソコン所有数量ランキングは、スマートフォンが普及する以前の、日本のデジタルデバイドの一断面を切り取った貴重な記録です。このデータからは、当時の経済状況や産業構造が、人々の情報アクセス環境に大きな影響を与えていたことが読み取れます。現代は、誰もがインターネットにつながる時代になりましたが、情報を活用する能力の差という、新たな格差が生まれています。過去のデータから学び、誰もがデジタル社会の恩恵を受けられる環境をいかに構築していくか、そのヒントを探ることが重要です。
順位↓ | 都道府県 | 値 (台) | 偏差値 | 前回比 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京都 | 1,570 | 69.0 | +18.0% |
2 | 福井県 | 1,558 | 68.3 | +24.0% |
3 | 滋賀県 | 1,547 | 67.6 | +12.7% |
4 | 神奈川県 | 1,477 | 63.2 | +11.8% |
5 | 富山県 | 1,454 | 61.7 | +21.1% |
6 | 奈良県 | 1,441 | 60.9 | +5.7% |
7 | 京都府 | 1,420 | 59.6 | +17.4% |
8 | 埼玉県 | 1,411 | 59.0 | +12.6% |
9 | 兵庫県 | 1,410 | 58.9 | +18.3% |
10 | 千葉県 | 1,404 | 58.6 | +15.9% |
11 | 愛知県 | 1,393 | 57.9 | +10.6% |
12 | 岐阜県 | 1,357 | 55.6 | +12.3% |
13 | 岡山県 | 1,356 | 55.5 | +11.2% |
14 | 大阪府 | 1,354 | 55.4 | +24.8% |
15 | 山形県 | 1,350 | 55.2 | +21.9% |
16 | 新潟県 | 1,339 | 54.5 | +25.4% |
17 | 三重県 | 1,336 | 54.3 | +9.2% |
18 | 静岡県 | 1,324 | 53.5 | +15.1% |
19 | 群馬県 | 1,322 | 53.4 | +15.6% |
20 | 茨城県 | 1,314 | 52.9 | +14.2% |
21 | 鳥取県 | 1,313 | 52.8 | +15.8% |
22 | 香川県 | 1,311 | 52.7 | +16.7% |
23 | 石川県 | 1,308 | 52.5 | +10.5% |
24 | 広島県 | 1,304 | 52.3 | +12.2% |
25 | 栃木県 | 1,295 | 51.7 | +9.8% |
26 | 徳島県 | 1,290 | 51.4 | +19.4% |
27 | 長野県 | 1,281 | 50.8 | +7.1% |
28 | 山梨県 | 1,245 | 48.5 | +13.9% |
29 | 北海道 | 1,233 | 47.8 | +21.6% |
30 | 福岡県 | 1,229 | 47.5 | +18.3% |
31 | 和歌山県 | 1,215 | 46.6 | +12.8% |
32 | 佐賀県 | 1,199 | 45.6 | +22.6% |
33 | 愛媛県 | 1,189 | 45.0 | +18.1% |
34 | 岩手県 | 1,172 | 43.9 | +26.7% |
35 | 長崎県 | 1,171 | 43.9 | +33.1% |
36 | 宮城県 | 1,162 | 43.3 | +2.4% |
37 | 島根県 | 1,156 | 42.9 | +4.9% |
38 | 山口県 | 1,131 | 41.3 | +4.0% |
39 | 福島県 | 1,118 | 40.5 | +7.7% |
40 | 秋田県 | 1,117 | 40.4 | +17.5% |
41 | 大分県 | 1,113 | 40.2 | +7.1% |
42 | 熊本県 | 1,089 | 38.7 | +8.5% |
43 | 鹿児島県 | 1,049 | 36.1 | +27.8% |
44 | 宮崎県 | 1,039 | 35.5 | +11.1% |
45 | 高知県 | 997 | 32.9 | +10.4% |
46 | 青森県 | 900 | 26.7 | +0.2% |
47 | 沖縄県 | 850 | 23.6 | +28.0% |