2023年度の都道府県別人口10万人あたり警察官数について、全国の状況を詳しく分析します。警察官の配置状況は地域の治安維持や行政サービスの充実度を測る重要な指標の一つです。
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上位県と下位県の比較
上位5県の詳細分析
1位:東京都(3.13人、偏差値87.1)
東京都が3.13人(偏差値87.1)で全国1位となっています。首都として国家機関や重要施設が集中し、人口密度も高いことから、他県と比較して圧倒的に多くの警察官が配置されています。治安維持に加え、要人警護や大規模イベント対応など多様な警備需要があることが影響しています。
2位:京都府(2.60人、偏差値69.2)
京都府が2.60人(偏差値69.2)で2位です。古都として多くの観光客が訪れ、文化財保護や観光地の治安維持に多くの警察官が必要とされています。また、府庁所在地として行政機能も集中していることが高い配置数の要因となっています。
3位:和歌山県(2.46人、偏差値64.5)
和歌山県が2.46人(偏差値64.5)で3位に位置しています。人口規模に対して警察官数が多く配置されており、県土が広く山間部も多いことから、広域にわたる治安維持のため相対的に多くの警察官が必要とされていると考えられます。
4位:山口県・高知県・長崎県(2.44人、偏差値63.9)
山口県、高知県、長崎県が同数の2.44人(偏差値63.9)で4位を分け合っています。これらの県は地理的特性や人口分布の特徴により、人口に対して比較的多くの警察官が配置されています。
下位5県の詳細分析
43位:宮城県(1.68人、偏差値38.3)
宮城県が1.68人(偏差値38.3)で43位となっています。東北地方の中心都市仙台市を抱えるものの、人口規模に対する警察官の配置数は全国平均を下回っています。
44位:神奈川県(1.70人、偏差値38.9)
神奈川県が1.70人(偏差値38.9)で44位です。人口が多い首都圏の一角を占めるものの、人口10万人あたりの警察官数は少なくなっています。
45位:茨城県(1.72人、偏差値39.6)
茨城県が1.72人(偏差値39.6)で45位に位置しています。人口規模に対して警察官の配置が少ない状況が見られます。
46位:滋賀県(1.65人、偏差値37.3)
滋賀県が1.65人(偏差値37.3)で46位となっています。京都・大阪に近い立地でありながら、人口あたりの警察官数は全国でも下位レベルとなっています。
47位:埼玉県(1.60人、偏差値35.6)
埼玉県が1.60人(偏差値35.6)で全国最下位となっています。首都圏の一角を占める人口大県でありながら、人口10万人あたりの警察官数は全国で最も少ない状況です。
地域別の特徴
関東地方
東京都は突出して高い数値を示していますが、埼玉県、神奈川県、茨城県など周辺県は全国平均を大きく下回っています。首都圏への人口集中に対して警察官の配置が追いついていない状況が見られます。
関西地方
京都府、大阪府、和歌山県が上位に位置する一方、滋賀県は下位となっており、地域内での格差が見られます。観光地や都市部では警察官の需要が高い傾向があります。
中国・四国地方
山口県、鳥取県、島根県、徳島県、高知県が上位に位置しており、人口規模に対して警察官の配置が手厚い地域となっています。
九州地方
長崎県が上位に位置する一方、他県は中位から下位に分布しており、地域内でのばらつきが见られます。
格差と課題
全国で最も多い東京都(3.13人)と最も少ない埼玉県(1.60人)の間には約1.96倍の格差があります。この格差は、都市部と地方部の治安維持需要の違いや、人口密度、地理的条件などが複合的に影響していると考えられます。
首都圏では東京都への集中が顕著で、周辺県では人口増加に対応した警察官の配置が課題となっています。一方、地方部では広域な管轄区域をカバーするため、人口あたりの警察官数が相対的に多くなる傾向があります。
統計データの基本情報と分析
統計分析の結果、全国平均は約2.00人で、標準偏差は約0.30人となっています。東京都(3.13人)が大きな外れ値として分布を右に引っ張っており、分布は正の歪みを示しています。
中央値は約1.93人で平均値をやや下回っており、多くの都道府県が平均以下の水準にあることを示しています。四分位範囲を見ると、第1四分位(1.82人)から第3四分位(2.31人)まで約0.49人の幅があり、都道府県間での配置状況の違いが確認できます。
偏差値の分布では、東京都が87.1と突出して高く、京都府(69.2)、和歌山県(64.5)が続いています。一方、埼玉県(35.6)、滋賀県(37.3)、宮城県(38.3)が下位3県となっており、地域の特性や需要に応じた配置の違いが数値に現れています。
まとめ
2023年度の都道府県別人口10万人あたり警察官数は、地域の特性や治安維持の需要に応じて大きく異なっています。東京都の突出した高さは首都機能と人口密度の高さを反映しており、地方部では広域管轄の必要性から相対的に多くの警察官が配置されている傾向があります。
首都圏周辺県での相対的な少なさは、人口増加や都市化の進展に対応した警察力の充実が課題となっていることを示唆しています。各地域の実情に応じた適切な警察官配置により、全国的な治安水準の維持・向上が期待されます。