公共図書館の蔵書数は、その地域の知的インフラを示す指標のひとつだ。2021年のデータでは、東京都が約4,940万冊で全国1位、最下位の高知県は約312万冊で、その差は実に15.84倍にのぼる。本記事では絶対値ベースのランキングを示しつつ、人口あたりで見ると景色が変わる可能性についても触れる。
TOP10: 大都市圏が上位を独占
絶対値で見た上位10県は、大都市圏が多くを占める。
| 順位 | 都道府県 | 蔵書数 (冊) |
|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 49,412,510 |
| 2 | 大阪府 | 25,112,845 |
| 3 | 埼玉県 | 24,060,986 |
| 4 | 愛知県 | 21,819,371 |
| 5 | 千葉県 | 20,607,638 |
| 6 | 北海道 | 18,631,704 |
| 7 | 神奈川県 | 16,982,304 |
| 8 | 兵庫県 | 15,815,608 |
| 9 | 福岡県 | 14,514,509 |
| 10 | 静岡県 | 14,505,374 |
東京都は2位の大阪府の約2倍、3位の埼玉県の約2.05倍と突出している。北海道を除けば、上位10県のうち7県(東京・大阪・埼玉・愛知・千葉・神奈川・兵庫)が三大都市圏に属する。
最下位グループ: 四国・山陰の人口減少地域
下位3県は人口規模の小さい地域が並ぶ。
| 順位 | 都道府県 | 蔵書数 (冊) |
|---|---|---|
| 45 | 和歌山県 | 3,751,567 |
| 46 | 島根県 | 3,656,604 |
| 47 | 高知県 | 3,118,552 |
四国(高知)・山陰(島根)・紀伊半島南部(和歌山)といった、人口減少が進む地域が下位を占める。最下位の高知県と1位の東京都の差は15.84倍。これは単純に人口規模の差を反映している面が大きい。
発見: 上位7県で全国の約半分、ただし人口あたりだと景色が変わる
絶対値の集計を構造的に見ると、いくつかの特徴が浮かび上がる。
集中構造: 上位10県の合計は約2億2,150万冊で、全国総数のおよそ半分に達する。とくに大都市圏7県(東京・大阪・埼玉・愛知・千葉・神奈川・兵庫)だけで約1億7,380万冊と、全国の4割近くを占める。残り40県で残りの約6割を分け合う構図だ。
東京1強: 1位東京都の約4,940万冊は、47都道府県合計の1割超に相当する。47県の平均をとると約940万冊なので、東京都はその約5.3倍を抱えている計算になる。
[仮説] 1人あたりだと別の県が浮上する可能性: 絶対値1位の東京都は人口約1,400万人を抱えるため、蔵書数が多いのは半ば自然な結果といえる。一方、人口あたり(1人あたり蔵書数や100万人あたり図書館数)で並べ替えると、人口規模では下位の県が上位に来る可能性がある。「都市部は本を読む、地方は読まない」と単純に結論づけるのは早計だ。実際の1人あたりランキングは関連リンクから確認できる。
まとめ
- 東京都が約4,940万冊で1位、最下位の高知県は約312万冊で15.84倍の格差
- 2位大阪府 (約2,511万冊)、3位埼玉県 (約2,406万冊) と続く
- 上位10県のうち大都市圏7県で全国総数の約4割を占める集中構造
- 下位3県は和歌山・島根・高知。四国・山陰の人口減少地域に偏る
- 絶対値は人口規模の影響が大きい。人口あたりで見ると順位は大きく変わる点に留意
データ出典
- 政府統計の総合窓口 (e-Stat) 社会・人口統計体系
- 統計表: 都道府県別公共図書館蔵書数 (2021年度)
- 集計対象: 47都道府県の公共図書館蔵書数 (冊)